■性自認女、身体的にも女、そして異性愛者の私の好きな人はゲイだった

私の好きな人はゲイだった。ゲイだって知ってて好きになった。学生だった頃、何回も何回もその人が落ち込んでるのを見た。LGBTの問題が世間に出てくるたび、それで誰かが何かを言うたびにその人は「やっぱり日陰の存在でしかない」と泣いてた。

それで、私もそのたびに悲しくなった。目の前で好きな人が泣いてるから。必死に何を言えばいいのか、何をすればその人が救われるのか、いっぱいLGBTについて調べて考えた。でも、やっぱりいつもみたいに接するしか出来なかった。

「LGBTには生産性がない」「LGBTは正常じゃない」「普通じゃない」という言葉に、その人が何回傷つけられてきたのか。お願いだから想像してほしい。杉田水脈さんだけでなくみんなに想像してほしい。大切な人がいるでしょ、親でも子供でもきょうだいでも友達でも誰でもいい、推しでもいい。もしもその人がゲイで、無性愛者で、レズで、バイで、性自認が身体と違って、それだけのことで名も知らない人たちのうっかりした一言で、あるいは悪意のある一言で傷ついていたら？それを自分は何も出来なくて、何の言葉をかけても意味がなくて、見てるだけしか出来なくて無力感でいっぱいで、でもその人が好きで仕方なくて、守りたくても何から守ればいいのかも分からなかったら。え、めちゃくちゃキツくない？ただ黙ってほしいだけなのに。人を傷つける思想を持つなとは言わないから、お願いだから黙ってほしい。そして、あの人を傷つけずにただ幸せに生きさせてほしい。私は、今もどこかであの人が暮らしている間に、現実かネットかの誰かの一言に傷つけられて自信をなくしているかと思うと気が気じゃない。

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