私の部屋にはJBLのCONTROL 1Gというスピーカーがある。
普段はTV用に使っているのだが、パソコンで作業するときにスピーカーで音楽を聴きたくなったので、机の上に置いてみた。
そんなに高価なものではないし、アンプも安物のAVアンプで音源はPCからBluetoothで飛ばしているので、正直全然期待していなかったのだが、ちょっと鳴らしてみると卓上と私の上半身辺りの空間が音楽で満たされ出したではないか。
音も絞っているので、低音は出ないものの、高域は良く出ているようで、音のエッジが立って私を心地よく撫でてくれるようだ。
イヤホンやヘッドホンでは感じられない立体的な表現に私は酔いしれて、こうして感動の文章をつづろうとした次第だ。
このスピーカーを買って8年、この部屋ではハロゲンヒーターに次ぐ付き合いの長さだが、改めて魅力に気付かされて惚れ直したところだ。
このスピーカーは、エッジを劣化しにくい素材に張り替えられたリペア品で、当時ヤフオクにこうしたリペア品スピーカーを多く出品されている方がいた。
リペアの腕の良し悪しというのは、私にはよく分からないが、少なくともこのCONTROL 1Gは私のお気に入りであり、何年経っても感動させてくれる名機だ。
ただ一度取引しただけの縁だったが、このスピーカーの第二の親のような方である。
おそらくジャンクとして打ち捨てられていたであろう、このCONTROL 1Gを救い、私と引き合わせてくれた彼には本当に感謝しかない。
ここまで書いたところで、ふと彼の近況が気になってしまい、履歴をたどってその後の評価を覗いてしまった。
すると、残念ながらあれから体調を崩されて、今は出品を行っていないようであった。
リペアの受注もされていたようだが、最後の納品前に体調を崩され取引を全うできなかった様で、落札者から悪い評価(システム上、キャンセルは「悪い」か「非常に悪い」しか付けられないらしい)と前述の事情の説明、そして出品者のご回復を祈るメッセージが残されていた。
果たして、出品者が無事に回復されたのか、それを知る術も無いのだが、どうかお元気でいてほしいものだ。
そして、彼が世に送り出したCONTROL 1Gの兄弟たちも、どうか新しいオーナーの元で愛されて続けていてほしいものだと思う。