私には年子の姉がいた。
正確に言うと、姉はこの世に生まれて来れなかった。姉が亡くなった直後に私が妊娠したため、親や親戚からは「姉の生まれ変わり」「姉と一心同体」と言われここまで生きてきた。
姉のことは20数年間生きてきて1度も見たことがないし、声も聞いたことがない。
でも、姉の存在を感じることは多々あった。
小学校2年の頃、学校の廊下を歩いていたら後ろから頭を突かれた。でも振り返ると誰もいない。
当時ビビリだった私だが、何故か怖くなかった。
これが姉との出会いだった。
姉は、私が弱っていると助けにきてくれていた。
本当になんども助けられた。
私は親から「姉の分まで幸せに生きないとね」なんてことを20数年間ずっと言われてきたので、「ふたりで生きていこう」と思っていた。
どうしようもないぐらい辛くて、死にたくなった時、いつも姉は助けにきてくれていた。
大学に入り、ちょっとメンヘラでお姫様気質の彼女に振り回されて死を覚悟した時だった。
この頃になると、寝る前に真っ暗な部屋の中で泣きながら姉を呼び「こんなことがあってしんどい。助けて。」なんて訴える日もあった。しっかりと声に出して。
側から見たら「独り言を言うやべー奴」だが、私はしっかりと姉の存在を感じながら話していた。
その夜も訴えた。泣きながら「死にたい」と言ったところで意識が途絶えた。
夢の中で姉と会った。
もちろん顔は覚えてない。何を話したかも覚えてない。
でも、姉は私に会いにきてくれたのだ。
そのことだけは衝撃的すぎて忘れられない。
姉のために「永遠の幸せ」を求めて生きてきたけど、そんなものがないってのを教えてくれたのも姉。
幸せではないし、むしろ今すごく辛いけど、姉がいるから私は生きていける。
ふと文章にしたくなったので書いてみた次第。
姉ちゃん、見てくれるかな。