職場で着る作業着のズボンの裾上げをしてもらいたかったからだ。
そう言って、採寸をして、支払いを済ませた後、初老の店員は言った。
「お急ぎですか。」
私にはこの「急ぎ」、というのがどの程度ものを指しているのか、分からなかった。数十分単位のことなのか、数時間単位のことなのか、あるいは数日単位なのか。
しかし、ユニクロなどでズボンの裾上げを頼むと、空いていると40分程度で仕上げてくれることもある。多少の混雑でも1時間程度で仕上がる。そういうイメージを私は持っていた。
この店が洋服修理の専門店で、ズボンの裾上げだけでなく、他の案件も抱えていて、その合間を縫って私の裾上げをすることを考えると、多少時間がかかるのかもしれない。
しかし、ミシン縫いの裾上げは高度で複雑な技術を要求される仕事でもなかろう。まして、専門店なのだから慣れた手付きで却って早く済ませることさえできるのかもしれない。
そう思い、私は「通常は1〜2時間かかるのを30分でしますか」という「急ぎ」と解釈し、「いいえ、急いでいませんが。」と答えた。
すると、初老の店員は「でしたら、水曜日になります」と言った。
全く想定していなかった3日後という答えに、私は大いに驚いた。
ワイシャツのクリーニングでさえ、通常コースで2日で仕上がる。
ここのズボンの裾上げは店から工場に送り、そこで作業をして、工場から店まで送るとでも言うのか。あるいは、大量の案件を抱えているのか。
実際、水曜日でも問題は無いのだが、わざわざ平日の仕事帰りにショッピングモールに寄ることもないだろう。
それに、ここはショッピングモールなのだから、他でショッピングなどをしている間に仕上がればそれがベストだ。
「今日中はできないのでしょうか。」
「何時頃に致しましょうか。」
ここで、私はまた迷った。そもそも、何時間後なら出来るというのだろう。1,2時間、長くとも3時間程度ならモールで時間を潰すが、5時間後となると、わけが違ってくる。
「何時間ぐらいで出来るのですか。」
「1時間ですね。」
「ではそれでお願いします」
「わかりました。では1時間後、いらしてください。」
3日かかるのを1時間でやるわけだから、追加料金がいるのではないかと思ったが、追加料金を要求されることはなかった。
別の目的であるショッピングを済ませた後、私はその店へ再び向かい、仕上がったズボンを受け取った。
ズボンは綺麗に裾上げされていたが、私と店員の考える前提の大きな違いへの怒りにも似た驚きや、「本当に3日も必要なのか」という疑問で、私の心にはどこかもやもやするものが残った。
ついこないだ同じ経験して同じように思った。ユニクロなんかのおかげで、裾上げは一時間あればできるって知ってるお客さんが多いこと、洋服修理のお店たちは前提にしてサービス設...
ユニクロでもミシン仕上げはその場でできるけど縫う場合は翌日以降になるよ 元増田も3日後で頼めば仕上がりが違ったかもね
店にミシンとかの設備が無い店は外の業者にまかせて三日後とか普通だけどな。
ショッピンを貫いて欲しかった