大学でリテラシ実習とか検索演習などパソコンを使った演習を担当しているが,授業の事前アンケートで大体数人は「コンピュータは苦手ですが頑張ります」とか書いてくる学生がいる.時期的に2000年以降生まれで,たとえ家にパソコンが無かったとしてもこれまでの教育で少なからず扱ってきた世代のはずなので,かなり変なことを言っているように思えるのだがどうだろうか?
もちろんネオ・デジタルネイティブ世代だったとしても家庭環境その他さまざまな事情でコンピュータに全く触れる機会がなかった人なのかもしれないが,その世代が「コンピュータは苦手」と言ってしまうのは「日本語全くわかりません」と発言する並みの違和感を覚える.一種の謙遜なのかもしれないが,あらぬ誤解を与えかねないので控えるべきだと思う.
もしかすると,英語も義務教育+αで5年以上学んだとしても「英語は苦手です」と宣言する人と同じ構造かもしれない.あっちはカリキュラムが悪くてリスニングとスピーキング能力が育たなかったことや謙遜の精神が原因かもしれないけれど.
ちなみに,私が「コンピュータは苦手」と認定するのはキーボード操作の知識が欠けている人,具体的には「+を入力するにはShiftキーを押しながら;が印字されたキーを押す」ということを知らないレベル.単に授業を分かりやすく展開しろという要求なら,当然そのような努力はしているわけで,むしろ分かりにくかったときに改善の依頼を出してほしい.