俺は自分が無敵だと思ってた。
俺はずっと一人だった。買い物もカラオケも焼肉も一人だ。そしてとてつもなく楽しい。
映画を観るときだってもちろんひとりで、この世に存在する映画を観続けるだけで一生幸せに生きれるんじゃないかって本気で思ってた。
どんな状況だろうと幸せになれる自信があった。無敵だった。
ある日、俺は恋をした。
その時から俺は無敵じゃなくなった。
苦しかった。既読無視に心が揺れた。デートを断られて死にたくなった。
相手からカラオケに誘われただけで人生の絶頂かとかつてないテンションになった。
その時気づいた。
でも違ったんだよ。
彼女に会ってから俺は馬力+500~-300くらいで生きてる。
些細なことに幸福を感じニヤニヤし、ラインひとつで絶望する。一喜一憂のでかさがとてつもない。
最高に幸せだ。
人生を楽しむってこういう事なんだ。
俺の人生ってずっと、ポケモンをボタン連打して「たいあたり」だけで遊んでたんだ。
でもホントは色んな技があって何を使うか迷ったりしてもっと楽しかったんだよ。
もう馬力100の頃には戻れない。
この先が知りたい。