きっとこれから親戚が事あるごとに「Bは結婚したんだ。次はAの番だよ」と言うのだろう。
苦しい。
異常なのだろう。
その中に残されたDNAの中に出産を経験せず受け継がれたものなど一つとしてない。
生き残った一匹だけが無限に紡がれてきたDNAを次世代に届ける正常な子孫であり、
今まで親戚の中で私はモラトリアムの中に居た。
今どきの人間はこれぐらいの年齢ならまだ結婚しないといふ世代論に守られていた。
そのバリアは内側から食い破られ、今私は裸のままで私に向けられる視線を一身に浴びているのだ。
畜生、死んでやる。
そんなに私を否定したいならド派手に死んでやる。
いや、殺してやる。
待っていやがれ。
計画が完成した暁には、貴様らは自殺者の親戚になるか殺人鬼の親戚になるかの二者択一だ。
私に、出産するか異常者として後ろ指を指されるかの二択を投げつけた貴様らの末路がそれだ。
私からすれば、同じことだ。
出産するのと人殺しになること、親戚から異常者として扱われるのと自殺者の親戚になること、同じことだ。
何故なら、私のような人間から生まれた子供の人生など、死んだように生きるのと同じだからだ。