5月2日に母が亡くなった。
あまりに愛おしい母だった。死に物狂いで助かって欲しいと願ったけど、叶わなかった。
僕は自他認めるマザコン。というかマザコンに進んでなった。母は比較的高齢で僕を生んだ。小さい頃から他の友達の母と比較して歳なのに気付いてた。「大好きなこの人はいつか死ぬ」その恐怖が僕をマザコンにした。
大人になっても、デートと称して母と買い物したりしてた。根底には「この人が死ぬ時に後悔しないように」という恐怖があった。
「きっと、死ぬ時には、俺は”やりきった”はずだからそこまで悲しまないだろう。」と思ってた。全然そんなことなかった。
何度もゲロ吐くほど泣いた。泣きすぎたら頭痛と翌日体調崩すことを初めて知った。
夜、調べたり色んな人に聞いて、「もしかしたら良くなるかも」という希望は、昼に絶望。ほぼワンセット。目の前で徐々に弱っていく。それを見守るのは気が狂いそうに辛かった。
看病の終盤で、辛すぎて何度か自殺を考えた。死にたいんじゃない。明日が来ないと楽だなぁって。
調べてみると楽な方法が幾つかあった。眠るように死ねる。苦しくなければ大したことないよね。寝るのと同じ。
そうだ、死なんて寝るのと変わらないんだ。そう思うと母の死がすこし身近になった。死ぬなんて大したことないんだ。
それから少し楽になった。
とはいえ、諦めない。次のアクションを起こそうとしている時に突然危篤が訪れた。
臨終の時。ありがとうや、愛してるや、また会おうね、を笑顔で伝えられた。たくさんキスした。
そして。
僕の命も大したことじゃない。もっとぞんざいに扱え。最後は寝るだけだよ。
痛くて治らない病なら酒とたくさんの酔い止めで自殺してしまおう。愛する恋人が死ぬ時に一緒に死ぬのも良いかもしれない。もうこういう見送りは無理だからね。
ああ、母さん、本当にありがとう。僕の最愛の人。本当の意味で世界でただ一人俺の味方の人。カッコ良い人でした。
色々言いたいこともあるけど、死んだ後また会えると思ってるから。その時にでも伝えるね。
死なないで。素敵なお母さんのことを覚えている人がひとりいなくなっちゃうのって悲しいよ。