それというのも日本にも四季があるせいで、もともと人類の生まれた場所はもっと暖かいところだった。
という印象だが、アフリカの全部が暖かいというわけでもないだろうから、どの程度の真実かはわらかない。
それなのになぜ冬のあるところに住むようになったかというと、まるで人類の持って生まれた知的好奇心で古いところを捨てて新しい土地を求めて移動したかのように説明されているが、とても本当とは思えない。
人口が増えた時に、強い集団が元の土地を専有して弱者を追い出したのだろう。追い出された方の集団は仕方なく住みにくいところに移動したと考えるべきだ。
そもそも海に生まれた生物が陸上に進出してきたのだって、全然進出ではなくて同じように追い出されて仕方なく住みにくい陸上に移動したのだろう。陸上生物はやむなく陸上で生きているのである。こんなに生きにくいのも無理に陸上に合わせているからである。ずっと海に住み海のために進化していたら、重力の影響も少なく楽できたろうに。
同じように人類だってずっと四足歩行していたら、胃下垂にもならず足腰の痛みもなく楽に生活できたのだ。知恵を身に着けたのは直立二足歩行の結果かもしれないし、それ以外の理由があるのかもしれないが、いずれにしても結果的にそうなっただけで、知恵を身につければ進化できると考えて苦労したわけではないだろう。
強いものに楽できる環境を奪われた結果なんとなく進化して、なぜか元の強いものより楽できたりすることもあるけれど、生き残った者がたまたま振り返ればそうなっていただけである。多くの場合、快適な環境を追い出されたものは単に死んでいるはずだ。