ある分野の仕事で無駄に手間を増やすのはその多くが意識(だけ)高い系であり、ある分野の趣味において新規参入を妨げつつ古参が同類扱いされたくなくなり逃げていく状態を作るのも意識(だけ)高い系である。
意識(だけ)が高い事によってメリットを享受するのは本人だけであり、それもその人の人生全体で見れば一時的なものだ。
意識(だけ)が高い生活を続けたことで最終的に幸福になった人間はほとんどいない。
本人が気づいているかどうかは別として意識(だけ)を高め続ける限り確実に人生は暗がりへと転落していっているのである。
そんな毒を何故好き好んで己の中に溜め込もうとする物がいるのか、それはこの毒によって生み出される不幸が表面に出るのに時間がかかるからだ。
人が意識(だけ)を高める時に巻き起こる一時的な幸福は人生においては短くとも主観的には長続きする。
時には10年や20年もの間夢見心地のまま生きることすら出来る。
だが、その夢からふと醒めた時に残るのは何もないままに恥ずべき過去ばかりが積み上がった自分である。
そこから抜け出る方法として再び人生を積み上げるよりも、再び夢に逃げて己の目をメッキして誤魔化すことに人生を捧げるようになるのだ。