十徳ナイフくらい持ち歩いていいだろ。そんなもんを取り締まるなんてバカバカしいって意見があるんだが、そんなことないぞ!
これは俺が好きだから分かるのだが、持ち歩く理由は妄想が捗るからに他ならない。漫画のように突如としてサバイバルを強いられる状況を妄想する。
その時、ビクトリノックスのいわゆる十徳ナイフを持ち歩いてれば、それはただの妄想ではなくなる。ビクトリノックスを通じて妄想がリアルな実体になることを体感できる。
さらに、これがあれば俺は起こり得るリスクに対処出来るんだという万能感すら得られてしまう。これは、俺のようなミリオタにとってはライフワークの1つである。
それだけじゃない。当然、暴漢に襲われる可能性についても妄想する。いつ自分の目の前に悪意の持った通り魔が現れるとも限らないのだ。
ビクトリノックスは当然刃物としての性能は低い。しかし、俺はそれを左手にリラックスした状態で持ち、フリッカージャブの要領で素早く相手の急所に突き立てる訓練に余念がない。一見ペーパーナイフにもならないと思えるようなその短く力の無い刃は、使い手次第で恐ろしい凶器へと変貌するのだ。
しかし、いくら俺のような手練れでもそう物事が上手く運ぶとは限らない。仮に奪われてしまえば、それは自分を殺す権利を相手に与えたようなものだからだ。
自分だけならまだいい。それを周りの人が止めようなどと集まりだしたら、思いも寄らない悲劇を生む可能性がある。そこには自分の持っていたビクトリノックスも握られているかもしれないからだ。
転生したときに持っていけないので世界大百科事典を丸暗記したほうがいいと思います。
こういう人って現物見ると印象が180度変わるんだよな