2017-06-27

土木の人

平成十年ごろから、暗黒の十年があったのだ。

大手ゼネコンでさえ、リストラが横行し、組織の大小、あるいは官民を問わず一斉に採用の門戸を閉じた。

結果として、日本全体で土木技術者の不足が発生している。

これは、職人不足とも重なっているのだけど、少し違う。

職人の暗黒期は五年遅く始まって、五年遅く終わった。今は空前の職人不足である

土木技術者とはつまり現場監督であって、職人とは作業員である

この二つの暗黒期が重なった五年間に日本土木は大きく衰退し、回復の兆しを見せない。

職人不足に対しては自動で動く土木機械の導入などで場当たり的に対応しているのであるが、各種の法律に従って作成する書類の量が官民ともに膨大なものになっているため、土木現場代理人や官の土木職員疲弊している。

今後も暗い、激務である、年齢構成が高い。

典型的斜陽産業の傾向で、農林業ヤクザ土木も、抱える問題は似ている。

だって長く土木の隅っこで飯を食っているから、暗黒期に培った技術が半端に金になるので今更やめづらいのだけど、人生をやり直せるなら土木には入らないと思う。それくらいの閉塞感が土木業界の隅々まで蔓延している。

しかし、運送業ITヤクザ介護飲食サービス業水商売もどこも似たようなものだと聞くのだけど。

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