そんな無駄に食う分があったらアフリカの子供に……という、いつもの理屈である。
なんでも、終わった後は吐いてるらしいから、確かに食べ物の無駄と言われてもしょうがない。
投書では触れられていなかったが、危険というのももちろんある。
しかし、よくよく考えてみると、食い物を無駄に消費するという点では、他のスポーツも同じだ。
例えば相撲の力士。体重別ではないため、基本的には太るほど有利なルールになっている。
だから、彼らは毎日のように、稽古をしては大量に食って寝る。太るのも仕事のうちだという。
小兵で活躍すればもてはやされるが、それはレアケースだからで、やっていくのは厳しいのだろう。
つまり、力士でいる限り、不必要に食うことがほぼ必要とされている。
みんなそんなことはわかっていて、でもまあしょうがないよね相撲だから、とごまかしているのだ。
けしからんからテレビ中継なんかやめてしまえ、という年寄りの話なんか聞いたこともない。
大食いとの差はただひとつ。その光景をテレビで直接見ずに済んでいるだけだ。
だからあの体を見ても何とも思わないのだろう。