2015-12-15

ちょろい国民

案の定、新国立競技場の両案には「日本の伝統がー」「日本文化意識したー」「日本のモノづくりパワーをー」というような文言があふれていた。

で、それに対して「A案のほうが日本の伝統を感じるな」「いやいやB案の方が」とかTwitterでドヤコメする奴らが続々登場中なわけだ。本当に日本国民てちょろいなと思う。後付けでも何でもいいから、とりあえずそういう文言を並べておけばなんとなく納得してくれるんだもんね。

建築場合だったらとりあえず「木」を使って伝統感をアピールしておけば大体認めてもらえるし、そこに神社建築のうんちくやら日本の伝統色やら“うつろい”系のワードやらを絡めればもうほぼ完璧。一気に「文句言うやつは日本人じゃない」状態の完成なわけだ。

エンブレム場合は「日の丸」「桜」「富士山「絆」とかを絡めればOK。大体納得してくれるし、「反対する奴は非国民」と勝手擁護すらしてもらえるヨ。

建築家とかデザイナーはよく、こういうベタワードモチーフを使わず表現を行おうとするけど、残念ながら日本人にはそれを理解する知性も審美眼もないんだよねー。それどころか「これは日本人感覚とは違う」とか言われネットであることないこと叩かれだす可能性が高いから、そういうチャレンジは控えたほうがいいと思う。

今回のオリンピック騒動でいい加減わかったでしょ?これからは「ちょろい国民」と割り切って、ベタベタなコンセプトで金を巻き上げていくのが建築家デザイナーの生きる道。それが嫌なら国外脱出したほうがいいと思うヨ。

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