C国がやるかもしれないこの行動は、一回だけでは成功するかもしれないし、成功しないかもしれない。
1. 米軍と日本軍が共同行動している機会をとらえ、米軍部隊・米軍艦船のみを攻撃し、日本軍部隊が米軍を見殺しにしたとみなされる状況を作り出す。
2. しかるのち米国で、「米国の若者が日本を守るために戦ったのに、日本軍は見殺しにした」と徹底的に宣伝し、米国国民が日米同盟を放棄するよう米国政府に強いる状況を作り出す。
C国が一回やって失敗したら日本の世論も集団的自衛権の積極的容認に傾くだろう。
あるいは上述のとおり、自衛隊部隊は米軍を守るために、自己を犠牲にしてひとまず被害をうけしかる後反撃するという半ば英雄的半ば不合理な行動を試みることになっている。
これが成功した場合、日米同盟の絆はむしろ深まり、C国にとってはより不利な状況が生じるかもしれない。
そうしたリスクとリターンを勘案してC国はこれを試みたり試みなかったりする。
冷戦下でのソビエト連邦にとってのリスクとリターンとC国にとっての現在のリスクとリターンは異なる。だが、まあ要するに運がよかっただけだ。
今まで、ソビエト連邦やC国(どこの国かはしらないが)がこれを試みなかったのは、我が方が手の内をあかしていないので、ひょっとしたらいきなり反撃してくるかもしれないとか、自衛隊の被害担当行動が成功するかもしれないとか、そういう総合的判断でたまたま起きなかっただけだ。
では、こういう事件が一回起きてから法律を変えればいいのではという議論があるかもしれない。
しかし、迫るミサイルと米艦のあいだに自衛艦が割り込むことは、数十名程度の戦死者が生じることを意味する。つまり、法律を改正するために数十人の自衛官を殺せと言っているようなもので、人命軽視も甚だしい発想だと思う。
冷戦構造の下ではそれでも良かったかもしれないが、状況は変わったのでは? また、仮に国土を全て日本の力だけで守る方がよほど東南アジアなどにとっては脅威であるようにも思う。...
C国がやるかもしれないこの行動は、一回だけでは成功するかもしれないし、成功しないかもしれない。 C国が一回やって失敗したら日本の世論も集団的自衛権の積極的容認に傾くだろう...
法律改正しても人は死ぬよ