2015-04-14

名誉男性になるために、女に欲情していた話

女性欲情しないのは不健全男性だけだ。

と聞いて、私は自分の不健全さの理由をそこに見出ししまった。

私は女性だ。だがどうしても名誉男性になりたかった。

(そうでなければ立場のないようなコミュニティに当時の私は属していた)

男性向けのポルノ摂取したり、ポルノ小説を書いたりしながら、

少しずつ私は女性欲情できるようになっていった。

「女には欲情するのが礼儀だ」とも聞いていたので、

初対面の女性はまず胸や脚から見て、下世話な妄想をするようにした。

だんだんどこまでが演技なのか分からなくなっていった。

だがいつも、なんとなく無理をしている感じがあって苦しかった。

女性向けポルノ摂取するハードルが低くなってきた(ネットでも書店などでも、探しやすく、摂取やすくなってきた)あたりで、ああ、無理しなくてもいいんだ、と気づいた。

男性欲情する女性も、女性不在の恋愛ものに興奮する女性も、マーケットになるほどには存在するのだ。

じゃあ、無理しなくても、女性欲情し続けなくても、私は存在していてもいいのだ。

その辺りから少しずつこの癖は抜けていったが、今もまだ残っている。

男性でなければ人間ではない。

男性女性欲情しなくてはならない。

私は人間なので、女性欲情する」

と行動で示さなくてはならない、という強迫観念に駆られることがある。

嫌な話だと今は客観的に思っている。

他の人には経験してほしくないが、状況そのものはそう稀有でもないのだろうな、とも。

自分にとって不自然なことを、自分に強いるように周囲が追い込む状況は、嫌なものだ。

同様の嫌な話がセクシャルマイノリティー周りでは起きているだろうな、と思っているので、

今は少しずつ勉強をしている。

名誉男性」の規範内面化していたので、ちゃんと勉強しないと無神経に傷つけてしまいそうな気がする。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん