はじめの3年は先生に師事した。個人ではなく企業の音楽教室のやつ。
まずこれがいけなかった。レッスンは30分だったんだが、そんな短い時間では何もならない。
初回は先生が「レに向かってド ♯ド レってやるとジャズっぽいです」とかリズムは裏拍を意識して~とか始まって
「じゃあやってみましょう!」とか言われて「は?」となる。
何をやるかって当然アドリブで何故かJAZZ界ではアドリブをするのに「アドリブをとる」と言う。何故取る(執る?)なのかは今でも分からない。
今思えばいきなり「じゃあやってみましょう!」も仕方ないことだと思えるが当時はアドリブが出来なくて出来るようになりたくて教室に通ってるのにいきなりヤレと言われても・・・と思った。
これは音楽関係者が言うアドリブと一般人が思うアドリブの認識の差によるから起こる。
一般人が「あれアドリブでやってんだぜ~!」という時のアドリブって何か天から音楽が降ってきてそれを楽器で奏でてる。まさに湧き出る泉のごとく・・・みたいな?
音楽関係者のアドリブって言葉の意味は「予め用意されたピース」を継ぎはぎする作業で一部予め決めてない部分があるからアドリブという。
この予め決めていない部分が多ければ多いほどアドリブ初心者と言う。
そう。音楽でいうアドリブってやる前から殆ど決まってる。その決める事項、決めない事項が人それぞれ違いそれが個人差、特徴となる。
これが初心者はまず理解できない事が多い。「決めるって何を?どう?どうやって?」ってなる。
それを理解するにはコード、スケール、ジャズの理論、ジャズの特徴的なフレーズが分からないといけない。
でもそんなの短いレッスン時間じゃとても教えてられないしデスクワークなんで嫌いな人はすぐ嫌になっちゃう。「俺は楽器で弾けるようになりたいんだ!」「理論はいいからジャズを弾けるようにしろ!」こうなる。てか俺がそうだった。
少しアドリブできるっぽい中級者だって「予め決められている」という事を理解しない人たちも多い。
「こんなカッコいいJAZZが弾けるようになりたいな」からいつのにか「俺のJAZZができればいいんだ」に変わってる。それは多分JAZZじゃない。カッコよくもない。
どうしてカッコよく聴こえるのか?なんでJAZZっぽいのか分って演奏したいならコードスケール理論はやらないと分からない。これは初心者のうちからやるべきだと思う。
もー勉強したくねーってならひたすら名演奏のコピーしかない。で、演奏の前に「~~風にしか弾けません!」「このCDと同じでお願いします!」これしかないしアドリブではないがそれもアリなんだと思う。
とにかく演奏の前になるべく多くフレーズや理論を準備して臨めるかどこまで予め演奏を決められるか、その上で天から音が降ってくるのを待つ。奇跡が起きると本当に嬉しい。やってて良かったと思う。