2014-10-29

廃人になる

大学時代からの古い友人Aが廃人になっていると

居酒屋で友人Bから聞いた。

友人Aは京都のFラン私大を1年浪人

2回留年してから実家東京へ連れ戻された。

はいえAは強制送還された後、強制労働を強いられていたわけではない。

というのも、彼の実家マンション駐車場経営しており、

働かなくっても生活できるのである

15年程前、彼が実家にもどって3年ぐらいの時に会った時は

「なぁに、気楽なもんさ。家賃の取り立てとガス器具の修理手配などをやっていればいいのだ……。」

と、自分を弁護するように話してくれた。

ちなみに風貌は小太りで典型的ヲタク体形である

それからしばらくしてAの消息は聞いて無かった。それが何故?

「で、なんで廃人になったの?ネットゲームとかの廃人?」

『いや、それがどうも地下アイドルにはまったらしく』

「え?地下アイドルあいつが?」

ちなみに2次元以外は興味なかった男だったので驚いた。

『そういうのがいてるのよ。で、あるアイドルに傾倒した結果、

相当貢いでいることが分かり、親族から縁を来られ、禁治産者になったそうだ。』

なんでも、駐車場勝手処分したらしく、それが父親の怒りをかったらしい。

「それは大変だったろうねぇ、で、Aは何しているの?」

『そのアイドルにも会えなくなったことで絶望して、今、精神病院隔離病棟に収容されてるよ。』

アイドルは時に希望も与えるが、場合によっては絶望も与えるんだな……と複雑な思いをビールで流し込んだ。

あいつの弟、ほら帝大出て弁護士だろ?厄介払いしたんじゃないのかなー。弟ちゃん、結婚するらしいから。』

「ああ、そういうことね。」

半年が経ち、その地下アイドルが有名になって地上に出てきた。

廃人Aは今でもそのアイドルTシャツを来て、地下の隔離病棟入院しているという。

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