『100-1=0』という言葉を知ってこんな体験を思い出した。
高校2年の秋だった。
秋学期最初のロングホームルームで、今後のレクリエーションの予定を立てていた。
私はレク係のひとりで、その会を取り仕切っていた。
レク係の私はクラス会の予算から景品や道具を準備するよう任された。
図書券(5000円分)、図書券(2000円分)、図書券(1000円分)、以下諸々...
(金額に関する記憶は曖昧だが、とにかく上位を高額図書券に設定したことはよく覚えている)
そしてその日はやって来た。
景品を発表するとクラスは盛り上がった。
私は数字の書かれた札をめくりながら自分のビンゴカードに穴を開けていった。
自分でも驚くほどあれよあれよと穴が開いていった。
その瞬間はちょっとだけ悩んだが、金に目が眩み景品を返上することはしなかった。
と、楽しみを独占しながら、大会を再開した。
進行するうちに少しずつ罪悪感が芽生えた。
しかしそれは大部分の人たちから認められなかった。そういう視線を浴びた。
せめて景品は献上して、別のところで役得を受ければ良かったものを、と思った。
自分の蒔いた種で。
今やこんなエピソードは誰も覚えていないにしても、ズルい奴という印象は心のどこかで持たれているかもしれない。
一度でも失敗したら信頼は失われると思った話。
追記
マシーンは予算の都合上買えなかったので市販のビンゴ用の1〜75まで書いてある札を買った。
すみません、「めくりながら」と書いたが、UNOの山札のようにめくったのか、それともボックスに入れて取ったのかは覚えてない。