私は小学校から大学まで、体育で一番低い評価以外とったことがないレベルの運動音痴。
当然あんまり体育の時間は好きじゃないんだけど、お祭り騒ぎは割と好きなので、球技大会や運動会はさほど嫌じゃなかった。
大嫌いだったのは、親から強制的に通わされていたテニスのスクール。
親は私の運動嫌いを心配して、何か生涯できるスポーツをと思ったらしい。
最初は学校のテニス部に入るよう言われたが、私がすぐ辞めたもんだから今度は親と一緒にスクールに入会させられた。
テニススクールの会員は大人が多くて、雰囲気が良い。経験に応じてクラスが分かれているから、ことさら上手い人の中で肩身が狭い思いもしない。
それでも私がスクールを嫌いだったのは、やはり親に監視されて無理やりやらされている、という意識のせいが大きかったのだろう。
それともう一つ、今でも覚えている嫌な思い出がある。
普段は上手下手関係なく誰とでも楽しそうにプレイしている、クラス内のそこそこ上手な会員の言葉だ。
ダブルスのチーム分けの時に、冗談めかした風に「○○さんと組むと負けるから嫌だなあ~」と笑っていたのだ。
○○さんは、勢いはあるもののコントロールが悪く、自滅が多い人。
要は、ヘタクソとは組みたくないという意味である。紳士ぶっていても上手な人の本音はやっぱりそれなのかと思って、絶望した。
客観的には大したことじゃないのだが、荒んだ気持ちの当時の私には堪えた。