今でこそ男性側に問題がある不妊の話がよくされるが、20年前はとても人前で話せるものでは無かった。
結婚してからも妊娠の気配が無かったし、妻は生理不順だったので産婦人科で検査を受けた。 その先生は「もしかするとご主人に問題があるかも」と言われ、私も検査を受けたが(この時は自宅で採取したが)、結果私に問題があることが判明(精子の数が非常に少ない)、治療を受けることになった。
最初の数ヶ月は、漢方薬の投薬と男性ホルモンの注射。その後、人工授精法(AIH)になったが鮮度が大切ということで病院で精液を採取することに。
その病院では院内の小部屋(といっても空き部屋を転用した)がその場所になっていて、椅子と診察台、数冊のHな雑誌が置いてあり、自分でマスターベーションしてプラスチックの容器に入れる、こう書くと簡単に思えるが男性はそう簡単に勃つものではないのだ。(美人の看護師さんがヘルプしてくれることは絶対にないし)
ありがたいことにその部屋には夫婦で入ることが出来たので、奥さんに手伝ってもらっての採取となった。(後で聞いたところでは、ご主人一人で頑張った人や、奥さんが相当努力して採取された人もいたようです。)
その病院でAIHを何度も試みたが妊娠に至らず、別の病院を受診したが、その病院ではトイレで採取するように示指され、二度と行かなかった。
結局はその後数ヶ月して自然妊娠したが、女性の不妊治療は20年でそれなりに進歩したのに対して、男性不妊の治療方法はまだまだの感がある。
同時に精液の採取方法も20年まえとあまり変わってはいない。雑誌にDVDが増え、採取部屋がそれ専用の綺麗な部屋になった程度だろう。
病院で採取するのは、デリケートな男性にとっては勃つのも大変で、奥さんが相当努力して採取するケースがあるもの20年前と同じだろう。
ご主人が治療を受けている奥さん、男性はプレッシャ-にも弱いということを理解してほしい。 どうかご主人を「勃てて」あげてほしい。