「あまちゃん」主演の能年玲奈がフィーチャーされすぎて演技も見た目も対照的な橋本愛は評価を下げているようだが、俺は断然橋本愛の方が好きだ。
まず見た目。能年玲奈は小動物のようなキラキラした目と口を半開きにして呆けたようなスキだらけの表情から、明るく朗らかで従順な子犬のような魅力を持ち合わせている。
対する橋本愛は鷹のように鋭く睨みつけるような目つきと固く閉じた口元が彫刻のようであまり人間味が無く、人を寄せ付けない冷たいオーラを放っている。
俺にとっては能年玲奈のイノセントな目は輝き過ぎて直視できない。というか、どこか無意識にポジティブなリアクションを期待されてそうでこちらの手に負えない感じがする。
橋本愛のような自分を解放できない、半分殻に閉じこもったような目つきは同類として少し安心できるというか、こちらに何も期待してなさそうなところがホッとする。
そして演技。能年玲奈は天然だけど演技はかなり才能があると思う。素直さがあるし、喜怒哀楽が開けっぴろげなので見ているだけでも何を考えているのかが分かりやすい。
対する橋本愛は自分なりに演技について色々考えてそうだが、もうとにかくド下手クソ。見ているこっちが恥ずかしくなるくらい。本人も素直な素振りが恥ずかしいと思っているのか、声が小さいしトーンも抑揚が少ない。叫ぶシーンはもうヤケクソに声を張り上げているだけに見えて逆にかわいそうに見えてくる。
これはまるで俺じゃないか。素直に自分の感情を表すのが恥ずかしくて、常に身の回りにバリアを張って守りに入っている普段の俺。橋本愛よ、俺は分かるよその気持ち。
能年玲奈のように感情が分かりやすい人間には周りが好意的に接してくれる。それは充分理解している。でも万が一誰かに笑われるんじゃないかという可能性が頭をよぎり、その恐怖心から心を閉じてしまう。
要するに能年玲奈タイプの人間は俺にとって恐怖なんです。みんな明るく純粋な状態でいるのが当たり前だと思ってそうで、そうじゃない暗い面を見せてしまうとガッカリされてしまうんじゃないかと思って気が気じゃない。話しかけられたら精一杯明るく振る舞うけど、自分の本心じゃないから話し終わって別れた後の疲労感が半端じゃない。
橋本愛は無理に明るく話しかけられるのはむしろ迷惑で、出来れば必要最小限のやりとりで済ませたいと思ってそう。会話が途切れてしばらく沈黙が続いてもそれはそれで自分なりに納得し受け入れているような気がする。
そしてお互いそう考えていることを察知し合える。そんな関係が理想だとお互いに思っている。話さなかったら全く話さないけど、一旦仲良くなるととことん深い話が出来て高め合えそうな気がする。
演技については橋本愛の圧勝で、同年代であの子に勝てる女優は今のところ存在していないと思う。