とある評論家は多数の媒体で連載している人間で、その業界内の信用も厚い。
講演数が大変に多くて全国を飛び回っているのに、各種媒体に多くの連載を抱えている。
なぜそれが可能なのか?
俺は彼のバイタリティーのせいだと思っていたが、実はそうじゃない。
事務所に入所して分かった。
彼の執筆方法はパクリだ。
取材活動は一切しない。
ある共通のテーマを扱った他人の書いた面白い本を3冊もってきて(しかも、孫引きの孫引きのようなうっすい入門書のようなもの)、その三冊に共通のテーマで、別々のエピソードがあれば、その部分を指定してパソコンで事務所の人間に手打ちさせる。
あるいはスキャナーをつかって読み込ませる。
行間を2行ほど開けた生原稿にして持ってこさせて、赤ペンで、加筆。
文末表現は徹底的に変え(その作業で30分)、エピソードの順番を変える(ここまでで15分)。
それを事務所の人間に命じて、文字に起こさせるのだ。
最後に、適当な偉人の言葉を結論部分にくっつけて(これもタネ本があって、ある部分に付箋をつけて「この人のこの言葉をここに入力してね」と指定されるのだ)、いっちょ上がり。
簡単なものさ。
彼がすべての工程を終えるのに正味2時間かからない。
マスコミ出る評論家は、有名になるまでが大変だが、いったん有名になれば、後は引退まで生き残るのはそうそう大変なことじゃない。
こんな奴らに騙されていた自分が嫌だね。
マスコミ御用達の評論家の発言が糞なのは、やっていることが糞だから。
そして日本には健全なマスコミは育たず、日本の文化はいつまでも後進国のままだ。
腸が、煮えくり返る。
とっととやめて実名明かせばいいのに。
素晴らしい。売文業かくあるべしじゃないか。 クオリティーの心配してるみたいだけど、読者にとっても面白い本三冊ぐらいのエッセンスを手軽に吸収できていいのでは? 読者というの...