2011-06-07

少し前のこと

29歳、彼氏なし、3月飲み会で知り合った同い年の男の人と週に一回くらい会ってた。

趣味も合ったし(野球観戦)、メールタイミングとか遊びに行く頻度とかすごく居心地がよかった。去年の初め、数年付き合った彼氏と別れて以来縁遠くなってたので舞い上がってたのもある。ただ、社会人サークルに入ってて、女の子の知り合いがすごく多いことと、電話が多いことだけ気になってた。遊ぶときも半分くらいが二人きりではな飲み会だし。

他に女がいる? 何か隠してる? 

好きになってもいいような、何か踏み切れないような気持ちのまま、まあ、会ってご飯を食べたりしているぶんには楽しいからいかなと、会ってた。話す内容は野球のことばっかりだし。楽しかった。前の彼氏と別れてから野球の話なんて誰ともしてなかったのに気づいた。あ、あとちょっとだけ気になっていたことがある。彼がやたらと「エコ」を気にすることだった。

彼の正体は唐突に判明した

最初飲み会で一緒だった私の友人が、あの子、なんか変な商売しているらしいよ、勧誘されたひとがいるって、と、教えてくれたのだ。彼は連鎖販売取引をしていた。いわゆるマルチ。具体的なことを書くのはやめておく。反論もあるだろうし。だけど、それを聞いてすべて彼の交友関係や発言に合点がいったのも事実だ。

すぐに問い質したいような気持ちを抑えながら、数日後、一緒に野球を見に行った。

ビールを飲みながら、試合のことを話していると楽しくて、すべてがどうでもいいことのような気がしてしまう。だけど、彼の携帯には電話が掛かってくる。その場で出た彼は「目標達成のためにがんばります」などと電話口で言っている。前には妙に牧歌的試合風景。前の席には40歳前後女性二人が楽しそうに試合を見ていた。二人の薬指には指輪が光ってて、ああ、羨ましいなと思う。

私は、人生に大それた目標など抱いてはいない。だけど、すぐに目の前の二人のようになることは出来ないのだ。

試合は応援していたチームが勝った。

試合後、二人でご飯を食べた。彼に本業のほかになにかしてる?と聞いた。彼は悪びれなかった。販売員はなってほしくないけど、商品はいいよ? 買ってみる? と言われた。

ごめんなさい、もう会いません。と答えた。

ああそう、みたいな軽い返事をされて、食い下がって欲しかったのか、そのまま解放して欲しかったのかわからなくなった。

帰宅して、徒労感だけ募った。

もう気持ちの整理はついてるし、見る目なかったなあと思う。目先のことに囚われて色々と目をつぶりすぎていた。だけどもう三十路で、今後こういうことが更に増えていくのだろう。

彼氏を作って結婚することがゴールではないことなんてわかりきっている。だけど私は、一生穏やかに野球を見に行く誰かが欲しい

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん