はてなキーワード: 田端駅とは
じゃあこのあと田端駅に来て。
あなたは脱ぎたてのぱんつをその場でもらったことがあるだろうか。私はある。しかもお金を払ったりとかではなく、純粋なプレゼントとしてだ。
学生になって初めてやったバイトは田端駅前のハンバーガーチェーン店だった。授業の関係で開店直後からお昼前までのシフトにほぼ固定で入ることが多かった。
シフトに入る顔ぶれも同じで、ちょうど同じ時期にトレーニーとして入ったのがMちゃんだった。ギャル系のファッションがまだ流行っていた頃で、日焼けした肌に金髪のカールがかかったヘアスタイルはある種の圧があった。話してみるとMちゃんは飾らない人柄で親切だった。私はバックヤードでバンズやパティを焼いて、Mちゃんはレジ担当になることが多かったから勤務中にあまり接点はなかったけれど、上がる時間がだいだいいつも同じで、そのまま田端駅から山手線へ一緒に乗って新宿まで向かう間にいろいろな話をした。
Mちゃんは気さくな感じで人と話すときに物怖じしなかったから、自分も彼女を取り巻くたくさんの人々のひとりに混ぜてもらっているだけだと思っていた。お互いに馬鹿な話ばかりをつないで、つないで、テンションを上げておくのが自分の役割なんだろうと思って、そういう役に徹しているつもりでいた。だからMちゃんが今月末でバイトを辞めるといったときに、最後に一緒にご飯に行こうと向こうから誘ってきたのは正直、意外だった。
どちらも毎回新宿まで出ていたのだから新宿で店を探せばよかったのに、その時はなぜか田端の次の駒込まで一緒に歩いた。途中のカフェレストランみたいなところに入って、どんな話をしたかもう細かく覚えていない。海が好きなMちゃんは茅ヶ崎に引っ越してネイルサロンで働くのだといっていた。魚が美味しいから遊びに来なよ、うん行くわという話をした気がする。
その後は六義園に行った。中を歩き回っているうちに手を繋いだりして、なんだかお互いにいい感じになってしまった。でもその頃はどうしたらいいか正直わからなかったし、なんの技術も持ち合わせていなかったから、たんにあせった。Mちゃんは物足りないかもしれない、申し訳ないという気持ちが少しあったけれど、ほんとうにどうして良いかわからなかったのだ。だから、Mちゃんが何かプレゼントしたいといったときに、思わず、ぱんつが欲しいといってしまった。Mちゃんはわらって、ええ〜、エロじじいじゃんみたいな反応をしたけれど、いいよと耳元にささやいて、木の陰に私を引っ張っていった。そしてその場でスカートの足元からぱんつをするりと抜いて手渡してくれた。紫だった。私は何かよくわからないことを言って、それをそのままポケットにしまった。
Mちゃんが茅ヶ崎に引っ越してから会いには行っていない。ぱんつはどこに行ったか。捨てられるようなものではないから、そうした記憶もない。だからまだどこかにあるかもしれない。