2022-06-08

吹奏楽部地域クラブ化にかかるお金を試算してみた

吹奏楽部学校から切り離した地域クラブ化が議論されている。

地域クラブということは、一般吹奏楽団とほぼ同じような団体になるので、一般楽団複数経験している増田が「お金」の面を試算してみたよ。

1.かかる費用は何か

練習場所費用楽器保管場所費用楽器保管場所から練習場所コンクールなどの本番演奏場所まで楽器を運搬するための費用、外部講師費用個人保有が難しい楽器設備(主に打楽器ハモデレなど)の維持管理費用譜面購入費などだ。

2.前提条件

地域首都圏ベッドタウンレベル。今話題柏市クラスとする。

練習は週3回(平日2回、土日どちらか1回)、1日あたり3時間とする。一般楽団初心者を断っていることもあり週1回の練習ほとんどだが、学生対象とした地域クラブ場合初心者教育も行わないといけないため、週3回とする。

練習準備と後片付けにかかる時間はそれぞれ1時間とする。つまり練習場所の確保は5時間必要

・外部講師は毎回の練習に来てもらう常任指揮者1名と、土日練習管楽器打楽器などを見てもらう講師2名が居るものとする。

練習場所公民館ホールレベル、保管場所は8帖のレンタルボックス楽器運搬に使うのは2tトラックレンタカーとする。楽器運搬に使うレンタカー運転は団員の親が持ち回りで担当するものとする。

・本番は吹奏楽コンクール2回(県大会地区大会)、定期演奏会1回とする。→これは学校部活と同じ条件なので、費用試算では考慮しない。

・年に50週間活動するものとする

・大型楽器打楽器ラインナップは地区大会まで出られるレベル吹奏楽部と同等とする。ティンパニ4台、鍵盤楽器一式、ピアノなどを保有。また、楽器購入費は考慮しない。

3.試算結果

練習場所公民館は5時間利用だとだいたい5000円くらい。意外と安い。これが年間150回になるので75万円。

講師費用は、まともな人(何処かのプロ楽団常任メンバーとして属しているクラスの人)なら1人あたり3時間で2万円くらいが今の相場だ。常任指揮者には2万円×150回=300万円、講師2名は2万円×50回×2名=200万円。合計500万円。

保管場所は、8帖のレンタルボックスは1か月あたり3万円~4万円が相場。3.5万円とすると、年間42万円。2階建てのレンタルボックスの2階だともう少し安くなるが、レンタルボックスの2階は楽器の保管には使えない。階段の傾斜が急すぎて大型楽器の出し入れが物理的に不可能からだ。

練習場所への運搬費用は、レンタカー費用が1回当たり1.5万円なので、150回を掛けると225万円だ。

楽器維持管理費用20万円もあれば十分だろう。

合計すると、862万円。

この中で学校部活動だとかからない(学校側が負担してくれる)費用は「練習場所費用」「常任指揮者費用顧問が担うため)」「保管場所費用」「練習場所への運搬費用」であり、それらを差し引くと300万円。

部活から地域クラブ化で3倍のコストがかかると言う計算だ。

これは大雑把な試算だが、部活動を地域クラブ化することで、かかる費用、つまりクラブ活動参加者負担するお金は2倍以上になると言うことは覚えておくとよいだろう。もちろん団としてのレベルを下げて、ティンパニ保有しない(ティンパニを使う曲を一切やらない)で4帖のレンタルボックスで間に合うようにする、練習回数を減らして楽器運搬もミニバンで間に合わせるようにするなどしたらかかるお金もっと減るが、それは吹奏楽団の「質」とトレードオフになる事も覚える必要がある。

  • うーん。本当にそうなら、部活動を廃止して、部活動の維持管理費用を教員の給料に割り当ててほしいと思うなぁ。

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