2022-02-26

大使館前のデモについて調べてみた


こういったツイートがあったのでざっと調べてみた。

大雑把にまとめるとネット上で見つかる範囲大使館前でのデモ禁止されている論拠として挙げられているのは「ウィーン条約」と「静穏保持法」の2つである

前者を調べると出てくるのは慰安婦問題に関する韓国韓国日本大使館前での抗議活動慰安婦像の設置に反対する自民党およびその支持者の意見

具体的な内容としては領事関係に関するウィーン条約31条3にある

領事機関公館侵入又は損壊から保護するため及び領事機関の安寧の妨害又は領事機関の威厳の侵害を防止するためすべての適当措置をとる特別の責務を有する。」

という文面により、慰安婦像の設置などの”日本侮辱する”行為国際的に許されないというものだ。

しかしこの文面はいささか抽象的かつ主観によるところが大きく、デモ自体を直接禁止するような内容にはちょっと思えない。

そもそもこの件に関しては慰安婦像の設置が侮辱と呼べるのか、侮辱するというのがはたして領事機関の安寧や威厳の侵害に当たるのかというのもよく分からないところである

もう一つの静穏保持法、正式名称としては「国会議事堂周辺地域及び外国公館周辺地域の静穏の保持に関する法律」の方はより具体的で、

五条に拡声機の使用制限というものがあり、「国会議事堂周辺地域及び外国公館周辺地域において、当該地域の静穏を害するような方法で拡声機を使用してはならない。」とある

同時に第六条では「警察官は、前条第一項の規定違反して拡声機を使用している者があるときは、その者に対し、拡声機の使用をやめるべきことその他の当該違反是正するために必要措置をとるべきことを命ずることができる。」

とあり、第七条では罰則規定されているので、拡声器を使えば捕まるということで分かりやすい。

しかし一方で第八条には「この法律規定は、法令規定に従つて行われる請願のための集団行進について何らの影響を及ぼすものではない。」ともあり、

やはりデモ自体が完全に禁止されているわけではないようだ。

実際にどう運用されているのかをみるには以下のような記事がある

「知ってる? 韓国大使館への抗議で、やってはいけないこと」

https://www.itmedia.co.jp/makoto/articles/1111/22/news004.html

一度に5人ずつしか立てなかったり、プラカードを出しちゃいけない

5人ルール」と引き換えに、「黙る」という条件を呑んだ

まり拡声器を使ってはいけないというのは絶対ラインとして、うるさすぎないようorやりすぎないように都度警察塩梅ルールを決めているらしい(地下アイドル現場みたいだな)

ちゅーわけで大使館前でのデモ自体は実際このように行われているわけだ。

ではロシア大使館の前ではなぜやらないんだというと実は普通にデモが行われているようだ

ウクライナ平和を」 出身者がロシア大使館前で抗議活動

https://mainichi.jp/articles/20220223/k00/00m/030/161000c

ウクライナ平和を」。午後2時ごろ、大使館近くの歩道に集まった参加者らは「戦争反対」などと書かれた紙を掲げ声を張り上げた。ウクライナ国歌合唱し、その後は5人交代で大使館前に立ち、平和を訴えた。

やはり五人ルールは健在らしい

とくにオチ結論もないけどこんな感じ。

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