2019-11-06

めんどくさい店巡りが好きな先輩

anond:20191105163909

カッペ系リトルビジネスはお店のブランディングであったり、海外から文化輸入であったり、

そういう点のこだわりがめんどくささを生み出してるんだと思うけど、

それとは別のもう少し庶民的めんどくさい店巡りが好きな先輩が大学時代いたことを思い出した。

15年以上前の話だけど、夏休みには、イラクにいって、仲良くなった現地人と一緒にゲームセンタープレステ置いてるだけ)で遊ぶという

豪快な先輩だった。

先輩は基本的には、オシャレ系ではなく、汚い系一見さんお断りっぽい常連だけの店によく乗り込んでは、

持前のコミュ力で、店主と仲良くなっていた。もちろんたまにブチギレられていたが、そこも含めて楽しんでいたようなので

元増田感性は近そうだ。

新橋にあるポテトサラダけが異常に美味いおばちゃんが一人でやってる店を発見して、常連おっちゃんと仲良くなったり、

タワマンがまだ工事中だった古き良き時代武蔵小杉で、オシャレを目指そうとするが、どうにも垢ぬけないバーで、カクテルを教えてもらったり、

平間にあるルールが厳格な焼き肉屋で、店主に気に入られて名刺をもらったり、

北千住の小料理屋でヤの人とトラブルになったり。そんな人だった。

彼の言葉で最も記憶に残っているのは、ある人気のあるショッピングモールも併設されている便利な新興住宅地に行ったときに、

「こんな去勢された街に、美味いものはない」といったことだ。

有名な大手ディベロッパーが開発したショッピングモールの中には有名店の支店がずらりと並んでいる。

美味いもの、いっぱいありますよ?っと言ったとき

「あのなぁ、増田。そんな出てくる食事想像できる店に行って何が面白いんだ。

このヤバい外観。なのに潰れていない店。客もそこそこいる。そういう店を発見して、

なんでこの店がつぶれずにやっていけているのかを食事を通して明らかにする。

たまに、ただの地主道楽でやってるだけで、クソまずいものが出てくることもある。そういうのも含めて面白いんだろうが。」

学生だった当時は金もないし、せっかく外食に行くなら、雑誌ネットの有名店だったり、

いまでいうインスタ映えのするお店だったり、そういうところに行きたかったのに、

いつもよくわからない店に連れまわされて、なんだこりゃ、と思っていた。

ただのノスタルジーいかよ。

でも、いまならわかる。彼は偉大だったと。

食べログやらミシュランやらGoogle mapsやら、いたるところで評価がなされていて、

美味い店を探すのも簡単になった時代しかし、こんな時代でも、ネットに載らない情報があり、

それを独特の嗅覚で見つける能力を磨くこと。

そういう人たちの努力尊い犠牲のもとで、われわれがこたつに足を突っ込んだまま、情報を貪れるようになっているということを。

よく攻略サイトを見ながらゲームをして何が楽しいの?という批判がある。私もそう思う。

じゃあ、我々は飯を食う時に攻略サイトばっかり見てないか

食べログを捨てよ、町へ出よう

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