2016-10-24

初めてをあげた人に逢いたい

初めての人、つまり処女をあげた人が夢に出てきた。

彼に逢いたい。

成人して、就職して、社会人になってしまって、処女なんて早く捨てたかった。

20代前半。彼氏もいなくて焦ってた。

彼は会社委託しているフリーランスデザイナーだった。

歳は10も離れた、オジサン一歩手前。

彼の仕事人間性もただ純粋尊敬してた。

そんな私に彼は技術知識を惜しみなく教えてくれた。

仕事打ち上げのあと、家が近所だった私達は一緒に帰った。

突然の雨でびしょ濡れになりながら。

最初に家に誘ったのは彼。隙をわざと見せたのは私。

彼に彼女が居たのは知ってた。

私が初めてだと言うと、いいの?と聞いて

何も知らない私に教えるように、大事大事に扱ってくれた。

その日を境に、よく電話がかかってくるようになった。

仕事の話をしたり、私が仕事相談をしたり。

向こうから、嫌なことがあったと言って情けない声で電話がかかってくることもあった。

私は尊敬する人に頼られてることが嬉しかった。

誘われて夜を一緒にすることもあったし、電話だけの時もあった。

不思議と私は彼に恋愛することはなかった。

彼女とは別れないだろうと思ってたし、

歳の離れた小娘に本気になるはずがないと思ってたから。

きっとお互い秘密の隠れ場所みたいなもので、

すこし休憩できる場所だったんだと思う。

そんなのが1年続いた頃に、結婚するんだと言われた。

しかったけど、奥さんを大事にするんだなって思った。

仕事では今まで通り普通に接して、

時々電話をする事はあったけど、お互い弱さを見せるような事は無くなった。

それから何年かして、私は地元引っ越して、30で結婚した。

4歳年下で知的さや包容力には欠けるし、

趣味は合わないし、ダサいけど、純粋で明るい一生懸命な人。

子供は2歳になる。

平凡で子育てに追われる日々。

子育てという仕事を誰にも認めて貰えない寂しさ。

そして、彼の夢を見た。

甘い声と同時に、思い出した。

私の仕事を認めてくれてたこと、

知的さ、包容力、それとは真逆母性本能をくすぐられる弱さ。

旦那には無いもの

今、あの頃の彼と同じ年齢になって、

過去の彼に恋をしているのかもしれない。

逢いたいけれども、それはしない。決してしない。

甘えてしまうから

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