2016-01-21

anond:20160121000927

最近話題産業廃棄物排出責任について。

関係者ではないけど、ある事情バブル絶頂期の日本産廃事情について調べたことがある。

当時、日本はまさに絶頂期、飽食の時代地上げ屋跋扈し、きらびやか建物が次々と立ち上がり、札束が飛び交い・・・そして、その背後で排出される膨大な産廃は行き場を失い彷徨っていた。

これらの産廃は、大企業が託した「産廃事業者」と名乗る暴力団フロント企業によって、多くは大都市近郊の地方に持ち込まれ不法投棄された。谷や川は都市から持ち込まれ産廃で埋め尽くされ、取り締まるべき役人賄賂を渡されて黙認した。産廃によって住処を失った住民裁判で訴えようにも、長引く裁判の間に仕掛けられる、親戚を巻き込んだ有象無象嫌がらせ泣き寝入りをせざるを得なかった。それでも一部の産廃事業者逮捕されたこともあったが、彼らに廃棄物委託した企業は、遂に誰も逮捕されることはなかった。

一部のマスコミもまた、これらに対して沈黙を守った。今では多くの大手新聞社は、自社の過去記事を有料ではあるがデータベースとして提供している。これらを見比べることで、当時、どのマスコミ社会的正義を貫き、どの新聞社が「報道しない自由」を行使したの分かる。例えば独裁国家が揃って国の名前に「民主主義」を含めるように、自らを「社会の木鐸」と自称する新聞社ほど、これらの問題不思議なほど無視していた。(なお、自社の新聞の縮刷版すら発行しない新聞社は論外である。)

あの狂乱の時代から20年以上が経過した現在でも、地方ではまだ多くの産廃は残されたままである。多くはそのまま忘れ去られたが、例えば圏央道の某トンネルのように、ひょっこりと問題が浮かび上がる場合もある。

そして国会会議録で「産業廃棄物」で検索すれば、この状況に心を傷めた一部の与党野党国会議員の尽力によって、現在環境産廃関連の法律が整備されたことが分かる。これらの議員の一部には、後の民主党政権の失政でその名を地に落とした政治家もいる。

誰とは言いませんが、非科学的な反原発等の言動を吹聴して回るよりは、当時の回想録でもブログに書いた方が今なら少しは株が上がるかもしれませんよ。

記事への反応 -
  • 私は産廃業の営業を10年ほどやってる若僧です。 もちろん不正を行ったダイコーとは無関係ですし、今回の事件で初めて存在を知りました。 今世間を騒がしている廃棄カツ問題のニュー...

    • 最近話題の産業廃棄物の排出者責任について。 関係者ではないけど、ある事情でバブル絶頂期の日本の産廃事情について調べたことがある。 当時、日本はまさに絶頂期、飽食の時代、...

    • もっともだと思う。 結局CoCo壱は丸投げしてただけで、最終責任者という点での認識が甘かったんだよ。 産廃業者に丸投げするあたり、また多くの国民もそれを是と知らず知らず認識し...

    • 廃棄カツ問題は氷山の一角で、産廃業者に処分依頼を出したはずのパソコンが北朝鮮に渡ったり自動車がISに渡ったりしてる可能性があるから。 アメリカ政府がイラクに渡ったトヨタ自...

    • ごく一部の悪徳な産廃業者が少数どころか多数いるんじゃね?っていつも思うのが、軽トラで拡声器使って住宅街を巡回する個人等の違法産廃業者が未だに多く存在するからなんだが。 ...

    • この知事やマスコミが、有名な味噌会社や、大手コンビニチェーンなども同様に批判的に晒すなら、なるほどもっともなご意見。 けれども、今現在の状況で、結果としては事態の洗い出...

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