先日ひとまわり以上上の男性と、ご飯食べてそのあと海で花火してきた。お酒も入ってて、ゲラゲラ笑いながら、ネズミ花火で逃げたりして。楽しかった。
わたしは昔すごく太っていた。根は明るいので、朗らかなデブとして嫌われはしなかったが、恋愛に関しては悲しいくらい全く縁のないまま青春を過ごした。しかし社会人になり1人暮らしを始めたら、生活スタイルが変わったからかあれよあれよと痩せて、いろいろ試したダイエットは何だったのか、と自分でも脱力するくらい簡単に標準体系になった。社会人になりお金も余裕が出て、デパートのコスメフロアのカウンターで化粧品を買ったり、まめに美容室に行ったり、痩せたから服もいっぱい買ったりした。なんとなく見た目はまともになったと思う。
さぁ、見た目のコンプレックスは払拭した!恋愛するぞ!と意気込んでも、完全に恋愛対象外として扱われてきた何十年のトラウマは重くのしかかる。女子から無理やり押し付けられた「恋愛とは縁遠い面白キャラ」が信じられないくらいがんじがらめに私を縛る。そういうポジションに甘んじてきた自分にも腹が立つけど、自信がなくてやめられなかったんだ。男の人に対して、足はすくむ一方で、恋人などできる気配もない。
仕事柄、年上の男性と接する機会が多い。たぶんファザコンなのと、少しだけ太鼓持ちやゴマすりに抵抗がないのが功を労して、年上の上司には自分で言うのも何だけどすごく好かれる。連れて行ってもらったバーの常連や、上司の知り合いで、年上男性の知り合いはどんどん増えていった。
年上の男性は優しい。わたしがオチのないくだらない話を延々しても、ニコニコして聞いてくれる。逆に、長く生きた功でとても為になる話を、ガツガツせずにしてくれる。デブ時代”わたしなんかがこんなんやったら、ほんとぶん殴られるだろうな…”と思っていた、かわいい子がやっている言動の数々をやってみる。少しだけぶりっこしたり、ちょっと意地悪を言ったり、わがままを言ったり、すねてみたり、甘えてみたり。男性はぶん殴らないどころか、ニコニコ笑って受け入れてくれる。それが、とても嬉しかった。優しい年上の男の人にはごく自然に誘えるし、誘われてもどうしようとか妙な焦りもなく受け入れられるのである。
だけど、わたしはどこかで気がついている。全くその男性に恋をしていない自分を。ただ学生時代抑圧していた自分を、攻撃されないとわかりきった安全なフィールドで披露していること。憧れていた青春っぽいことを、ただやりたいだけのこと。その自分が、とってもかわいいこと。そして、男性もわたしをわたしとしてではなく、”自分の話を聞いてくれる若い女の子のうちの1人”としてご飯を食べていることを。お互い、全く1人の人間として評価していないことを。
この状態を続けても、なくしてしまった青春は帰ってこないし、補填されるわけでもない。それに、若さは永遠じゃない、こうやってチヤホヤされるのも今だけ。頭では分かっているのに、人に踏み込めない。恋愛ができない。精神だけとても未熟なまま、自分を守って年ばかりとっていく。
あなたの前には そのうち イイ人現れそうな気がする。(・∀・)
ラインハルト・フォン・ローエングラムの様ないい人が。
ユリアン・ミンツのようないい人が。