2012-01-13

違う水

最近興味本位FaceBookに登録してみた。

実名主義インターネットがどんなものなのか。自分の知りうるかぎりでは他に台頭しているSNSがないし、自分が普段覗いている匿名主義のインターネット世界とはまた違うのだろうという予想はあった。

そんなわけで自分の出身校も登録してみた。そんなことをしたのは初めてだ。mixiなどの国内SNSでは信用性がいまいち持てなかったから。

そこで出てきたのが、卒業してから今まではあまり付き合ってる友人がいなかった中学と高校のコミュニティだった。中高一貫でどちらもそこそこの私立の進学校だった。一人に見つかるとコミュニティ全体に見つかるのも時間の問題という状態で、あっという間に友人の数が増えていった。

そして自分は驚いた。そこにいたのはほとんどが大企業などに勤めているサラリーマン大黒柱におく家庭を持つ層のコミュニティだった。それは不況就職難や少子化などの不安日本社会を形成するニュースとはあまり関係ないように見える、豊かな家庭を形成するコミュニティだった。

だいたいの家庭が子どもを二人以上もうけ、家族海外旅行は年1回。持ち家を買い、人生を謳歌しているように見える人ばかりで形成されたそのコミュニティは、未だに高度経済成長期の頃の1億総中流家庭を彷彿とさせられた。

そして自分が普段見ているインターネット世界とは全く異なるもののように見えた。30代の年収が400万前後っていうデータはどこに行ったんだ?ワーキングプアは?若い人に金がないか子どもを作れないというニュースは?自分も含め、ニュースサイト等に溢れるあきらめと絶望の混じったコメントをしている輩はどこにいったんだろう?

そして驚きが収まると共に思い知った。自分が見ていた世界いかに狭いかということに。

そういう豊かな家庭を持つ層はわざわざネットに大量に時間を費やさないのだ。第一にそんな暇がない。だからそういう人たちの意見ネット世論として出てこない。TVだけしか見ない人とネットだけしか見ない人の間で世論が違うように、そこには住む水の違いのような温度差があった。うまくいっている人は豊かなコミュニティに残り続け、落ちこぼれた人はそのコミュニティから落ちこぼれていく。自分がそうだったように。

少なくとも日本にはまだまだ豊かさは残っていた。いつでも沈む時は底からなのだ

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん