2011-08-17

会うこともないだろう人へ

CM大島優子 × ポカリスエットジョシュア・ツリー国立公園編』
http://www.youtube.com/watch?v=bM_lXfhwpt4


まとめサイトでこの動画を見て、ポカリスエットCMを始めとしていくつかの記憶に残るCMを思い出した。Are you hungry?と最後に入るカップラーメンCM黄桜河童チャコールフィルターの歌をバックに踊る女の子。あれもあったと言われればもっと思い出すだろう。

いいCMのことは人と話しやすい。ドラマバラエティよりも目にする可能性が高いし、商品名や出演者名、タイアップ曲をとっかかりにして説明もしやすい。曲を聞くと思い出すCMもたくさんある。

昔、CM大賞みたいな番組があって、多分定期的にやっていたと思うが(何度か見た覚えがある)いつの間にかなくなってしまって残念だった。自分CM集を作ってみようとしたこともあるが、いつ流れるか分からないし、CMだけ抜き出すなんて考えも及ばないし(ワープロも普及してない時代だった)ですぐに諦めた。

広告は消えものに近いから、ただ記憶に残っているだけだ。ただ思い出して懐かしんで、気が向いたらネットで調べてみる。見つかれば嬉しがったり、初めて見るバージョンに驚いたり、思い出とは全く違っていて当惑したりする。

大人になった今改めて見ると、気がつかなかったことに気がついたり、何とも思わなかったことがやけに印象に残ったりする。
単純にかわいいと思っていた女の子が、青春の象徴のように思えて涙が出たりするのだ。恥ずかしい話だが。


それに加えて、その裏側のことを想像したりするようになった。CMを作るためのロケハンシズル感、通行人の調整、天気待ち、企画、会議、折衝、接待、資料作成(実際の工程は知らないのだが)。CMから宣伝される物や事があり、それを作る過程に関わる膨大な人数のことも。デザイナー設計者、営業、工場、小売。
このCMを見て自分とは全く違う感情を持つ人もいるのだろうと考えたりする。客先で怒鳴られたことを思い出して苦い気分になる人もいるだろう、よくこれを買ってた人が好きだったなと甘酸っぱい気持ちになる人もいるだろうと。


15秒の映像でも、こうやって色んなことを考えさせる。一枚のポスターでも、一曲のイントロだけでも、長い小説の中の一節でも同じだ。
僕はクリエイティブ人間では全然いから、そういうことができる才能には素直にすごいと思うし、嫉妬したり、そういう才能があったら素晴らしいだろうなとも思う。

広告産業に関わる人達は今辛い時期かも知れない。地震のことだけではなく、クリエイティブを名乗る垣根がえらく低くなったと思うから。それに「使われる」期間が昔に比べてかなり短くなっているから、かけられる時間予算も低いのだろうと思う。CGとかそういう技術が高まった分求められるクオリティは上がっているのだろうし。

現場で働いている人達に直接伝える手段はなかなかないけど、僕はこれからも、いいCMを見たらニヤッとしたり涙したり、心を揺り動かされたりし続けるだろうと思います。その場で誰かに電話をかけてみたり、何十年も密かに覚えていたりもするかもしれない。

この先出会ういいCMを楽しみにしています

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