2011-05-22

君が職人なら僕はハッカー

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20110521

上記エントリを読んで、なんか違う気がしたので、風呂に浸かりながら考えた。

だって外国製品でも、iphoneってたぶん過剰なくらい多機能だし、ウィンドウだってゴテゴテ機能がついてて悪趣味じゃん。

http://d.hatena.ne.jp/katoyuu/20110518/hacking

そういえば、こないだどうして、フィクションの中のハッカーはもの凄いはやさでキーボードを叩くのか、って言う話があった。

記事の内容とは異なり、俺はこう思っている。

フィクションの作り手たちは思っている。読者にとって、スーパーハッカーとはあまりに縁遠く、理解のできない職人であると。

から、その描写は「なんかすごそう」というレベルに留まる。

サマーウォーズハッキングが根性で、超絶操作キーボードがちゃがちゃだったりするのと余り変わらない。

おそらく、それは

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110517/220014/?rt=nocnt

欠如モデルに沿っているからだと思う。

一般人無知蒙昧であり、一部の理解ある人間たちだけが、本当のものの使い方や価値をしっている。

松下幸之助はこういっている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E9%81%93%E5%93%B2%E5%AD%A6

でも、それっていうのは、家電水道のように、っていうのは、

一般人に対して家電の仕組みを伝え、馴染む道具として使わせよう、

というアプローチとは真逆だと思う。

家電の使い手は無知であり、蛇口を開く(スイッチをオン、オフする)以上の操作を期待しない。

という哲学のような気がするのよね。(誤った意味での)お客様神様的な。

そうした発想からは、家電ユーザが分解して、自分メンテナンスする、という思想は生まれ得ないと思うのよ。

これは、家電じゃなくて、携帯電話でもポットでも、電子ジャーでもそうね。

「壊れたら新製品を買いましょうよ」というのは、その方が儲かるから、っていうだけじゃなくて、

日本人は一回壊れたものを直して使って、また壊れても使う。

というような、そこまで自己責任を負う種類の人種じゃないと思うのわけで。

本来、たぶん昔の日本人っていうのは、じっくりと道具を手に馴染ませて、それを扱う職人の集団だったはずなんだけど、

逆にそれは自分の知らないことについては何も関与しようとしない無責任者の一団であって、

気がついたら、手に持った職業技術適当な舌先三寸の営業技術を除いてほぼ失われたものの、

自分の専門分野以外は専門じゃないから、理系じゃないから知らないよ、的な集団になってしまった。

そうしたエスニックグループに向かって、保温ができないポットを売るとかいうのは正気の沙汰じゃなくて、

エアコンが壊れたら自分で分解して修理しろ、といのも本気でいってるとは思えない。

だって、そんなことはどこか遠くの技術センターにいる技術者がやるはずで、一般人の俺にはわからないことのはずだし、

政治なんて十重二十重に囲まれてクローズされた世界のなかでやってるなにやらヒミツめいた活動なわけだし、

原子力なんて専門家のいうことや、誰かが語ってることを信じるしか専門家じゃない俺たちにはわからないはずだ。

そうやって自分の関与外のことに対して、極端なほどに無知蒙昧を装う。

だって、そうしている限り、責任回避ができるのだから

自分責任回避しつつ、他人には無限責任を負わせようとする。

そんな連中に向かって、エアコンを分解して修理してずっと使えって? それも自己責任で?

それとも、壊れたエアコンを確実に修理できることを企業として保証しますって?

そんなの、昭和のオッサンでなくて、オッサンじゃないけど、オッサンになりかかった俺でもいやだわ。

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