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【須藤龍也】脱原発などを訴える市民団体を狙ったサイバー攻撃が明らかになった。送りつけられたメール253万通以上、悪意に満ちた文言もあった。だれが、何のために――。
金沢市の「福島原発告訴団・北陸」。事務局長を務める林秀樹さん(62)が不審なメールに気づいたのは、9月19日だった。
「ご賛同ありがとうございます」。パソコンを見ていると同じ件名のメールがみるみる増えていった。
島根原発に反対の市民団体に賛同する御礼メール、東京の反原発団体のメルマガ登録の確認メール……。1分で80通のペース。自営業で仕事と兼用しているので、メールの受信を止められない。
送信が止まったのは9月30日。不審メールは約149万通に上った。「削除に追われ仕事にならなかった」。反原発運動に関わり40年近く。「大量のすしや高額請求書が届いた過去の嫌がらせを思い出した」
「福島原発事故緊急会議」(東京)の海棠(かいどう)ひろさん(51)のもとには同じ文言のメール5千通近くが送りつけられた。「反原発教徒を皆殺しにしなければ世界平和はやってこない」と暴力的な言葉を浴びせかけられた。「人の感情がない。こんな妨害行為は初めてで、気持ちが悪い」
反原発や脱原発を訴える全国の市民団体に9月中旬から11月上旬にかけて大量のメールが一斉に送りつけられ、朝日新聞が調べたところ少なくとも33団体に253万通以上届いたことがわかった。専用のプログラムを使って操作された可能性が高く、特定の市民団体を狙った日本初のサイバー攻撃とみられる。
脱原発弁護団全国連絡会の共同代表で、市民団体の代理人の海渡雄一弁護士は、活動を妨害したとして、威力業務妨害容疑で刑事告訴を検討していることを取材に明らかにした。
サイバー攻撃が確認されたのは、首都圏反原発連合(東京)など反原発・脱原発を訴える32の市民団体と「女たちの戦争と平和資料館」(東京)の計33団体。
攻撃は9月18~19日に一斉に始まり、30日までの13日間で計210万通以上のメールが送りつけられた。「反原発教徒を皆殺しにしなければ世界平和はやってこない」といった文言が書かれたメールもあった。「福島原発告訴団・北陸」(金沢市)はこの間、自営業の事務局長の仕事の都合がありメール受信を止められず、約149万通が届いた。さらに10月24日~11月4日にも攻撃があり、2団体に43万通以上のメールが送りつけられた。【須藤龍也】
http://www.huffingtonpost.jp/2013/11/09/cyberattack_n_4248212.html