建設省(現国土交通省)が66年、最大支流の川辺川(相良村)に洪水対策でダムを建設する計画を発表。総貯水量1億3300万トンで、完成すれば九州最大規模になる予定だった。
治水や利水、発電などの多目的ダムとする計画だったが、長期化で治水以外の事業者が撤退。総事業費も当初の約10倍に膨らみ、推進派と反対派の対立で、用地取得や家屋移転はほぼ完了したものの、本体工事には着手できなかった。
環境保護など建設反対の世論が盛り上がる中、流域の市町村長が相次いで計画の白紙撤回を要求。蒲島知事も就任半年後の2008年9月に反対の意向を表明し、当時の民主党政権が中止を決めた。