2024-08-04

サルスベリという哀れな名前を付けられた木

近所の公園に綺麗なピンク色の花を付かせた木があるなぁと思って、写真を撮ってGoogleレンズで調べたらサルスベリの木だった。

サルスベリなら知っている。樹皮がスベスベしていて、猿でもしがみつけないかサルスベリという名前の由来も含めてだ。実物だってたことある

だが、花を見るのは初めてだ。もしかしたら過去に見たことはあるが、気にも留めなかっただけかもしれないけれども。

サルスベリの花を改めてよく見ると鮮やかなピンク色をしており、桜や梅にも負けないほどの華やかさを持っているではないか

でも、名前サルスベリ

花の美しさではなく、樹皮のスベスベさに着目されて名づけられた悲しい木だ。せっかく綺麗な花を咲かせるのに。

ちなみに木材としての用途もあるそうだ。

もう少し調べて見たら、サルスベリには百日紅(ひゃくじつこう)という別名もあることがわかった。夏の間に100日間ほどピンクの花を咲かせることが由来になっているのだとか。

いいじゃないか百日紅

百日紅。ひゃくじつこう。ヒャクジツコウ。漢字でもひらがなでもカタカナでもカッコイ名前じゃないか

でも、どうしてヒャクジツコウではなくサルスベリなんてカッコ悪い名前になったのだろうか。

サルスベリ中国原産であり、日本渡来してきたのは江戸時代以前だという。

「唐から珍しい木をもらったやで~」

なんや、この木。めっちゃ樹皮がスベスベしてて運びにくいやん」

せやな。猿でもつかめなくて滑るやろうな」

「そや。サルスベリっちゅう名前にしたらどうや?」

こんな感じに名づけられたことだろう。なんと嘆かわしいことか。

ちなみに中国語ではサルスベリを「紫薇(ziwei)」と言うが、中国語でも百日紅という別名があるのだそうだ。しかしながら、当時の学者百日紅という名前を広めようとしたり、あるいは実際に栽培して夏の間に長期間花を咲かせることがわかった時には、すでにサルスベリという名前が定着していたのだろう。時すでに遅しだ。

ああ、残念な木よ、サルスベリ

百日もの長きにわたって咲かせ続けているから、花としてのありがたみは無いのだろう、サルスベリ

桜や梅はパッと咲いてパッと散るからこそ、その短い期間を逃さぬように人々は躍起になって花見をするのに。

それに引き換え、サルスベリ花見をする人などいるのだろうか。

私はついこないだ、たまたまサルスベリの花に初めて惹かれてしまっただけなので、無論これまでの人生サルスベリ花見などしたことはない。

近所の公園には何年も通りすぎていたが、どうして今までサルスベリの花に気づかなかったのだろうか。

今後は通り過ぎるたびに気を留めて見るつもりだが、夏の間ずっと咲き続けているのだからそのうちに飽きてしまうのだろうか。

  • ガキの頃のワイは 木登りの得意なサルにすら登らせないんだぜ?かっけー! と思ったもんだけど

  • サルスベリってリベルサスみたいな名前だな。

  • 家守奇譚って小説読んだらサルスベリに萌えられるようになるからおすすめ

    • 家守綺譚て小鬼が出てくる話があるやつ?小鬼マジ可愛い サルスベリの話ってなんだっけ。読んだの昔過ぎて忘れちゃったよ

  • えー。昔公園でサルスベリという名札を見た時「巧いこと言うな」って思ったよ 実際猿が滑ったわけでもなかろうに、この幹に登った猿がつるーっと滑る情景が浮かんで可愛いと思った...

  • イヌフグリよりマシだろ!

  • オオイヌノフグリとボケに比べればマシ。

  • 木登りの天才・猿ですら滑ってしまうほど樹皮が滑らかで美しいという 最上級の褒め言葉だろうが 哀れでもなんでもないぞ 名前に猿が入ってるからだめなのか? 猿に失礼だろ 片親パ...

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