映画館で作品を観る時、一回目は素直に楽しみながら観て、二回目以降で細部に目を向ける、というタイプの人は映画好きには割といると思うけど、自分は真逆。
ここのシーンが良かったな、燃えたな、ここの演出はあの作品とアレだな、オマージュになってるな、この役者はこうなのか、この台詞や関係性は良いな、こういうメッセージを感じたな、という事を逐一考える。
初回の新鮮な感想を忘れたくなくて、配信ならちょっと止めてメモでもしながら観れば良いけど、映画館じゃそうもいかん。忘れないよう脳内で反芻して、劇場を出てからスマホにブワーっと書き出す。それが鑑賞の没入感を妨げる事も少なくない。
で、二回目以降になって初めてそういう細かい事は抜きに、個ではなく全体を楽しめるようになる。新しい発見もあるにせよ。
1500円でも学生には安くもないし、そこそこ以上気に入った映画じゃなきゃあんまり二回目以降も観に行かんから、せっかくのデカいスクリーンで観る没入感を大切にしたいなって気もする。定額サービスに配信が来るのを待って、そこで初めて細部に目を向けても良いんだけど、気の長い話だしやっぱり初見のフィーリングを大切にしたいなって思う。ジレンマだ。
シン・仮面ライダー、周りの感想を見ると目配せに溢れた作品なんだろうけど、エンタメとしても結構面白かったです。あんまり詳しくないけれど、優しさを貫き通すには力が要る、力は使い方次第で怪人にもヒーローにもなれるという仮面ライダーのテーマ(多分)に真摯な作品だったと思います。