「キモイおじさん」という表現が批判されたり擁護されたりしている。その擁護意見の中には、「セクハラするやつや性犯罪者のことをキモイと表現しているのであり、中高年男性全てに行っているわけではないのだから何の問題があるのか」という理屈があるようだ。
ところで、こういう理屈を言う人と、「萌え絵は女性全般への性的搾取」と説く人はそれなりに重複しているように見える。
セクシーな格好をしている萌え絵の女性は特定のキャラクターであり、彼女の個別の性格や他のキャラクターとの人間関係という文脈の上にセクシーな格好がある。そのキャラクターは一定の納得の上でその恰好をしているはずだ。しかし批判派は「誰かがセクシーな格好をしていれば、それは女性全体がそうであるという風潮を強めるからダメだ」と言っているように見える。
その理屈に沿うなら、「おじさんすべてがキモイわけではない」のに「キモイおじさん」と言ってはダメだろう。「キモイ性犯罪者」と呼べばいいだけだ。誰かが「キモイおじさん」と表現を多用すれば、それは「おじさん=キモイ」と考える風潮を強めてしまうのだから。
ちなみに私はセクシーな女性の表象も「キモイおじさん呼び」もどちらも存在していいと思う。しかしどちらにも「特定の属性への偏見を広める作用がある」こともまた事実。
「多くのおじさんはキモくない」
素で絵と現実の区別ついてない人がいる