彼は間違っていないこと、を欧米が認めて、
元の鞘に収まることを求めている。
それは、狂人の発想といえる。
「特別軍事作戦」でウクライナ全土を占領できるという妄想とで形作られた、その狂気の世界。
しかし、我々は戦争が始まる前、あるいは始まってからもその世界をはっきりとは否定できなかった。
なぜなら、力とは、その狂気の世界を実現させ得るものだからだ。
ロシア軍が、その力によってウクライナを屈服させ得たなら、その狂気は現実となっていたからだ。
これ以上は負け続けるだけの戦争を終わらせて、
彼が正しく、愚かではなく、力持つものとして、
世界がその賢く力強い王に対して敬意を払うことを求めている。
ウクライナはロシアのものである、という幻想から始めた、この戦争。
力により、そのことを認めさせることが可能なのが、この世界のことわりである以上、それは必ずしも幻想とは呼べなかった。
これを幻想と呼ばす、なんと呼べばいいのか?
彼が求めるものは決して手に入らない。
そのことを彼は認めるだろうか?
彼は、やがて我々に質問するのではないだろうか?
それとも
と。