色んなものの感想を「カワイイ」で済ますことについて、違和感を覚える人は多いようだ。
このカワイイアプローチは、物事の分析を行わず、カワイイという言葉の中に押し込める、デフォルメしてしまうことに問題がある。何となく、カワイイを見つけ、カワイイという言葉でポジティブな印象を与えるわけだが、カワイイに収まらないはずの情報、たとえば裏の意図、悪意、反骨心、違和感などを削ぎ落としてしまう。カワイイウォッシュしてしまう。
もちろん、このカワイイウォッシュの力を意識的に使って面白い表現や商売をしている人たちもいる。アート作品や、キティちゃんコラボなどもそうかもしれない。しかし日常では、カワイイによって削ぎ落とされた情報のほうに、より価値がある、重要性が高いことも考えられる。カワイイに黙殺される情報のマイノリティ、カワイマノリティである。
拡大するカワイイという評価の中で削ぎ落とされたものや、拡大したカワイイにも含まれない、評価されづらい要素の集合。ここから新しい価値の発見を行うことが、カワイマノリティの復権、カワッサンスなのだ。