仲が良い時期を知らず、常に喧嘩していた。小学校高学年になるころにはもはや会話すらなく家庭内別居だった。それでも私が高校を卒業するまで離婚せずにいたのは両親の責任だったのだろう、有り難い。
私にとっての夫婦とは両親のことだった。子供のために存在する番でしかない。
だから私は結婚したいと思ったことはなかった。明確に拒否する気はなく、人生の流れでいつか結婚することになるんだろうと思ってはいたが、できなくても別にいいと思っていた。なお、現在恋人すらいない。
しかし、私の想定外の夫婦を何度か見ることになる。最初に見たのは小中高の友人の両親で、非常に仲がよかった。あんなくだけた会話をする夫婦がいるのか、珍しいほど仲が良いんだなと思っていた。
その友人は結婚願望が強く、就職2年目ですぐに結婚した。今は3児の子持ちだ。
数年前、友人が結婚した。女好きでいろんな出会い系に手を出しているモテ男だが、嫁と女遊びを区別しているらしく、長年連れ添った女と結婚した。
これまた非常に仲が良い。彼は色々あってちょっとした冒険を始めることになったのだが、なんと嫁さんと始めた。嫁さんは、旦那が始めたんだから私も始めるのは当然といった態度だった。
私はうらやましくなった。
ネットを見てると、男を結婚を就職先としか思っていない女の話をよく見る。
私が付き合った女性も、結局は私が「利用価値があるか、女に都合が良いか」という面を探しているのがわかる。あなたの苦労はあなたのものだ、私を巻き込むな。そういうものだと思っていた。
誰かと生活を共にし、その人の理解できない部分にも寄り添い、理不尽に耐える、 それが一方的だと、きっと続かないので お互いがそうできる、そうしたいと思える そんな人に会える...