制作側の『これがやりたかった(だけ)』がはっきりと押し出されている作品が好きだ。
そこに至るまでどんだけ描写がすっ飛ばされてても、キャラクターの扱いに雑さを感じても、あるいは倫理的に、コンプライアンス的にどうかと思われるような表現が横たわっていたとしても、
とにかく「ああ、作者はこれがやりたかったんだな」と感じ取れる作品はそれだけで自分の中では名作認定になってしまう。
「やりたかった」に「だけ」がつくような作品については尚更で、むしろ「スタッフただこれがやりたかっただけだろwww」とゲラゲラ笑いながら手を叩けるような作品こそ大事にしたいと思っている。
もちろんその「やりたかったこと」が作品のテーマであったりとか、作者の思想であったりとかなら更にとんでもない名作だと思うが、そこまで崇高なものでない、所謂シチュエーションに対するフェチズムでしかないものであっても、「やりたかったこと」が見える作品が好きだ。
ある意味内輪的で同人的な作品、ということなのかもしれないが、その同人的な内輪性から見えてくる面白さ、みたいなものもあると信じている。
ただそういった所謂『内輪的な』作品については、IPのブランド力だとかキャラクターの扱いとかそもそもの表現のコンプラとか色々とハードルが上がりまくっているのは肌で感じるので、特に大規模な商業エンタメでは今後あまり見られなくなっていくかもしれない。時代の流れとはいえ少し寂しい(と言いつつ何だかんだで上手いこと折り合いつけた作品は今後もぼこぼこ出てくるような気がする)。
そういうの、一見無計画で自由に見えて 実は綿密に計算されているエンタテイメントである ということに気づくのが大人の入り口
じゃあ例を10個あげてみろ あげられないならお前は大して好きじゃないんだよ 2度と好きだって言うなよ