2021-11-22

引きこもっていたおじさんが亡くなっていた

知らなかった。おじさんがすでに亡くなっていたなんて。

そのおじさんというのは、私の父の兄にあたる人だ。

父は4人の兄弟姉妹がいて、その一番上の兄が引きこもっていたのだ。

そのおじさんが亡くなっていたことを今日から知らされた。

今年、病気で70歳を手前にして亡くなったとのこと。

知らせなくてもいいかと思って話さなかったんだと父は言った。葬式も済ませたという。

おじさんはずっと引きこもっていたので、私は会ったことがない。だからからの話でしかいたことがない。

というか、私はそのおじさんのことを成人するまで知らなかった。成人して、初めて父親から存在を知らされた。

父の話によると、そのおじさんは口だけは一人前で、色々と屁理屈を述べて、働かないのだという。

何度か働いたことはあるのだが、長続きせず、最終的に引きこもってしまったらしい。

引きこもりがいると、普通は親が面倒を見ることが多い。

ただ、父の両親はずっと前に亡くなっていた。

から兄弟で面倒を見ていたそうだ。生活保護は受けずに、兄弟みんなでお金を出し合っていたらしい。

そんな人がいるとは。私はショックだった。

それは引きこもりのおじさんがいることにではなく、ずっとおじさんの存在を私に隠していたことに対してだ。

昔、よく親戚同士で正月に一堂に集まっていた。それは子供ながらにとてもとても楽しい時間だった。

だがその中にそのおじさんはいなかった。しかも、一言話題にのぼることすらなかった。

ずっと、ずっと、隠された存在

口に出してはいけない存在

私は怖かった。そのおじさんの存在をずっと隠されていたということが。

忌み嫌われているというか、他言してはならない存在のようで。

私もそうなるのではないかと思うと、怖くて怖くてならなかった。

私は今なんとか働いて生きている。でも、そんな立派な稼ぎはない。

いつ、おじさんみたいになるか分からないと思って働いている。

両親は、そんな父の兄のようにならないでほしい、そんな思いで私を育てていたらしい。

その言葉もなんだかショックで、心に残っている。

引きこもってはいけない。立派な人間にならないと、私は認められない存在なんだ。

そういう思いがふと自分の中に住み着いてしまっている。

私もおじさんみたいになっちゃうのかな。引きこもり最期って、こんな感じで終わっちゃうのかな。

そんな恐怖が、おじさんの訃報を聞いて湧き上がってしまった。

ダメだ、こんな思いに浸っていては。深呼吸しよう。

私は、今、生きている。曲がりなりにも、一人で生きていけている。

まずはおじさんのご冥福を祈ろう。そして、希望を持って、前に進もう。

日記も書いた。これで一区切りつけよう。

読んでくださりありがとうございました。

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