姉とは昔から、仲が悪かった。
姉はいわゆる"陽キャ"、俺はいわゆる"陰キャ"で、水と油の関係だから分かり合えることは何一つなく、年中いがみ合っていた。
両親があまり良い関係ではなかったせいかの因果関係は不明だが、実姉も自分も結婚することなくやがて中年になった。
共に俗にいう”こどおば・こどおじ”ってやつで、いまだ実家に寄生している。
高齢の両親がコロナワクチンを打ちに共に不在になった日、リモートワーク同士の姉と家で二人きりになった日、それは起きた。
陽キャってやつは意外とメンタルが弱いもので、このご時世に不安を感じ続けていたらしく、珍しく(というより初めて)俺に救いを求めるような目をして心の中の鬱憤を(コイツ、こんなに弱るの?)ってくらいのか細い声で滔滔と吐き出してきた。
その姿がなんだかとても儚く、それが作用してか、俺の中で理由のつかない劣情が沸々と煮立ってきた。
次に気づいたときには、抱いていた。
もう若いとは言い難い実姉の身体は、思った以上に綺麗で、俺を狂わせるには十二分の魅力を匂い勃立たせていた。
それから数か月が勃ち、俺たちはまるでそんなことはなかったかのように平然とあいかわらず実家ですねかじりの暮らしを送っている。
俺はというと、あんなに嫌いだった実姉との、セカンドコネクトは次はいつなのだろうかという事でアタマん中がおっぱいでリモートワークもロクに手につかない。
俺はこの先、どうなってしまうんだろうか。
実姉はこの先、どうなってしまうんだろうか。
俺の先っちょはこの先、どうなってしまうんだろうか。
いくらでもありそうな小説でも引き込まれるものと引き込まれないものの違いは何だろうか エロだけではないような