はかなくも なほ実ればと 思ふかな かく乱れたる 心厭はで
【訳:もう終わってしまった恋だけれど、実っていればと想像してしまう。そんな自分が厭わしい。】
春すぎて にほいたちばな しずけさに けふも昔の すひたかづらに
【訳:春が過ぎて橘の香り立つ季節になったけれど、私はひとりあのときの忍冬を、好きだったあなたの面影や髪を思い出します。】
をちかたに ゆきて帰り路 双つ影 伸びのびてゆき なほをちかたに
【訳:帰り道に、遠くで見かけたあなたとあの子の連れ立つ影。私はつい立ちすくんでしまい、あなたたちはどんどん遠ざかっていきました】
ねぎごとや 夕露濡れし 青懸巣 去りゆく我を いひかけてとめ
【訳:アオカケスのような青い髪のあなたは、あのとき去っていく私に何事か言いかけましたね。夕露のような涙で眼を潤ませ、何かを願うようにして。
身一つを 藍に染めあげ 待つ鳥や 撃たれて泣くな 飢えて歎くな
【訳:深い藍色の髪を持つあなたは愛もまた深かったのでしょう。不幸もまた、多かったのでしょう】
汀なる あらまほしきを さやかにも 荒浪くもる あたしってバカ
【訳:『魔法少女まどかマギカ』の美樹さやかのことを詠ったとされる】
さざなみや 大津見かかり あはれなる 近江におもき 淡江のころ
【訳:琵琶湖から大津を望むたび、かの場所にいたころ背負った罪が、今も哀れな私を苛みます。/滋賀(志賀)を負けヒロインに見立てた歌。『万葉集』(古の人に我れあれや楽浪の 古き都を見れば悲しき)などにあるように、滋賀を負けヒロインに重ねるのは古来よりポピュラーな主題。】
かぎりある おんみをつくし 相逢いへ なんでもするから ダメなとこなおすから
【ギリシャ神話、もといFGOのキルケーのことを詠ったとされる。「相逢いへ」はアイアイエー島にかかっている】
さめざめと 背中なでつつ 歎くぞよ 道さだかにも 決めかねる身を
【訳:涙に暮れるあなたをこうして抱きしめているあいだにも、私はどのヒロインのルートにするかで迷っています。なんという卑怯者なのでしょう】
はつこひは 遠くこそなれ いとどなほ 夜の嵐に 髪を吹かれて
訳がほしい
追加しました。
結構好き