久し振りに調子が良いな、と思っていたんだ。仕事も進むし趣味も楽しい。眠れなかったけれど、まあ最近は眠れていたし、たまには良いかと。
RT のプロフィール画像が目に留まって、しばらく眺めていた。違和感があってよく見ると、ただの静物画ではない。意図が込められているように思えた。
画像検索したら見つかった。いくつかの解説を読むと、確かにそうだった。絵のことは全く知らない。単純に綺麗なので、ポスターに惹かれて都合が合えばたまに見に行って、音声ガイドに頼って、へー、なんて思っていたくらいだ。
それらの今まで見てきたものや、なんとなく好きだなと思って調べた陶磁器の知識が、この絵を分かるためのものだった気がした。幸福な気持ちになった。
また眺めて、涙ぐんだあたりで、ああヤバいなと思った。寝ていなくておかしくなっているだけだ。気づいてブレーキがかけられるようになっただけマシになった。
こんなに幸福なのに、こんな結実に出会うことなんて稀なのに、ただの症状だったんだな。興奮し過ぎて過敏になっているだけだ。
ナッシュをモデルにした映画を思い出した。統合失調症の治療がある程度の効果をあげていたが、ひらめきも鈍ったため、幻覚と共に生きる。実際とはかなり異なるらしいが、良い映画だった。
あんな天才とは比べようもないが、私も私なりに私の仕事が好きだ。がむしゃらにやることで人並みだったから、セーブしながらでは不甲斐ない。だからたまに、自分がすごいという錯覚の中にいたくなってしまう。それは無理だと知っているのに。