ワクチンが調達できたことで、一応出口が見えてきた。ワクチン接種が進めばある程度は落ち着くだろう。
政府は、ワクチンで事態が収束できる目処が立ったので、五輪開催により「多少の犠牲」を払うのは仕方ないと思っている。
変異株の脅威を軽く見ていて、ワクチン接種完了までは五輪で感染拡大しても今と同じ対策で十分持ち堪えられると見ている。
専門家として、「多少の犠牲」を容認することはできないし、変異株によって予期せぬ事態になる可能性も排除できない。
ワクチン接種が進む中、五輪に向けて為政者の空気が緩んでいることに耐えられなくなったのだろう。
また、ワクチン接種が進んで事態が収束に向かえば、扱いにくくなった尾身先生は放逐されるだろう。ご本人も、その気配は感じてるはずだ。
これまでは黒いものを灰色と言ってでも政権の側に居続ける必要があったが、ゴールが見えてきた今、いずれにせよ放逐されるのだから、その必要は無くなった。
こうした背景があって、かなり大きな賭けに出たのだと思う。
五輪を中止にできるとはさすがに思ってないだろうが、専門家のお墨付きを取り上げることで、感染拡大に対しての政府の責任を重くすることができた。
これによって、政府が軽く見ていた「多少の犠牲」を食い止めること、これが今回の尾身発言の狙いだろう。
それなら最後に勝ち取るべきは何か?
政府が容認しようとした「多少の犠牲」により失われる国民の生命だ。
今回の五輪にかかる異例の言及は、追い詰められた挙句の暴走ではない。
あくまで冷静に、自分自身も駒と割り切った上で、被害を最小に抑えるための現実的な手として考えられたものだ。
この結果、五輪に厳しい目が向けられて、開催されたとしても感染拡大が防げたとしたら、意義は大きい。
感染拡大せず静かに五輪が終わり、円滑にワクチン接種が進んで、尾身先生は大して賞賛されることもなく一部の人々からは石を投げられつつひっそりと去っていく。
今、そういう賭けをされているのだと思う。
パヨクって今まで散々あの人のこと御用学者御用学者って殴ってきたのに、今更持ち上げるつもりなんだろうか