5年働いた会社を辞めた。
いい会社だったと思う。
でも業務内容が全く面白くない。そして残業が多い。入社3年目くらいからじわじわと「転職」の二文字が頭をよぎり出したが、きっかけもなく、まあネットで見聞きするブラック企業に比べたらいい会社だしなあ…やめると後悔するかも…と思い踏み切れなかった。
そうしてるうちにどんどん仕事が増やされ、責任が重くなっていった。
夜21時に会社を出れたら、今日は早い方だなと思うようになった。真っ暗な道を歩きながら、脳みそはまだ仕事のことを考えるような日々が続いた。
ある時から上司がポンコツに変わった。ほんとうにポンコツだった。
判断を仰いでも決めきれない。
なんでこんなポンコツが…と思いふと考えてみると、その会社にはそんなポンコツ上司が珍しい存在ではなかったことに気づいてしまった。
ずっと様々なポンコツの下で働いて、自分もいずれはポンコツ上司になるんだと思うと、すっぱりと辞める気持ちになってきた。
今の職場には大満足している。もちろん前の方が良かった面もあるが、総合点で優っているように思う。上司も同僚も尊敬できる人が多い。
ポンコツ上司がきっかけを与えてくれた。彼がいなかったら自分はまだ前の会社に留まって、そしてこのままでいいのかなあと考え続けてただろう。