高校時代の思い出。公立の底辺工業高校で好き勝手やっていたら職員会議にかけられたらしく、担任に精神科を勧められた。教育現場で精神疾患の疑惑をかけられる経験など早々ないことに違いない。
面白そう! と思い親同伴で出発。長い待ち時間の末、そう長くない問診時間で「統合失調症」の破瓜型と結論された。まさか童貞も卒業しない内に非処女認定されるとは、やはり精神医学界とは面白い世界である。おそらく一連は精神攻撃の一種なのだろう。
結局続く第二診で異常ナシと判断されたものの、それで私の生活態度が改善するというわけもなく、やがて卒業するまで職員たちの監視の目が緩むことはなかった。別に悪いことをしていたわけでもなく、成績も決して低くはなかったというのに、なんとも労力の使い方が下手な組織である。私の青春は疑惑を抱かせる私と様子見しかできない大人たちの一進一退の攻防でしかなかった。
少し逸脱した個性を精神病という型に押し込めて無理くり理解しようとする、その臆病な姿勢は敵ながら私も見習うべきだろう。高校時代の収穫と言えばその気構えくらいで、勉強の内容など既に記憶にもない。高校なんて大体そんなものである。